1:「集団的自衛権論」の嘘

 かつて、小泉元首相が「日本を守るために一緒に戦っている米軍が攻撃された時に、集団的自衛権を行使できないのはおかしい。憲法を改正して、日本が攻撃された場合には米国と一緒に行動できるような形にすべきだ」と述べた。

 基本的にこの形で今後、集団的自衛権論議がなされる。

 しかし、これが嘘、詭弁のたぐいだ。

日米安保条約第五条は「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する」と規定されている。この行動で憲法が邪魔になっていることはない。

つまり、「日本の管轄地に対し」、「外国が攻撃してきた時」の対応は現在の法体系で準備されている。

しかし、集団的自衛権で行おうとしていることは「日本の管轄地外で」、