私が大変衝撃を受けた時がある。

 数か月前、私は名古屋から新幹線で帰ってきた。若干、高揚していた。この日、愛知県弁護士会と県庁の共催で講演会があり、ここでTPPの話をした。TPPISD条項で国家主権が侵されること、そして多分国民皆保険が実質的に機能しなくなる可能性を述べた。この日聴衆は約500名位で、私にしては大聴衆であった。

 そして東京駅に着くと、多分武道館でコンサートがあったのであろう、同じT シャツとマフラーに身をまとった若者が駅構内に溢れていた。地下鉄のフォームも同じコスチュームの人々で溢れていた。地下鉄に乗ると、また同じであった。

 名古屋で500名の人々に話せたと高揚していたが、もっともっと多くの人はTPPの話の無縁な世界で生きていた。

 この時、自分のTPPの話は多分政治的に何の影響も与えられないであろうことを痛感した。

 若い人々は今、自分達