『鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀  対米従属という宿痾』

はじめに                鳩

 日本を真に尊厳のある国にしたい。名誉ある地位を占めたいのではなく、世界の国々からも尊敬される国でありたい。そのためには、アメリカの保護領だなどと揶揄されるのではなく、真の意味で独立した国にしたい。そして、そのことによって、国民みんなが公正で幸せを感じられる社会にしたい。
 これが二〇〇九年の政権交代の大きな一つの目的でした。しかし、その目的は十分に果たすことができませんでした。多くの国民のみなさんの期待を裏切ってしまったことを申し訳なく思っています。私の責任は極めて大きいと自覚しています。それだけに、なぜ独立運動とも言える革命的事業が成功しなかったのか、この本の鼎談の中で明らかにしていきたいと思います。

 今の日本は、ぜんまい仕掛けの時計の針を前に進めようと、力いっぱい巻