日中関係の歴史的なトレンド
1:基本構図
 私は、日中関係の動向を、「日本、中国の二か国に意志」の関数ではなくて、むしろ「米国が日本、中国を自己の世界戦略の中でどのように位置づけているか」の関数であるとみなしている。
 まず、日本について
第二次大戦後の占領体制と、占領脱却と朝鮮戦争の相互関係から、日本の外交・安全保障政策は米国の支配下に置かれたと言っていい。
勿論、時に米国に従属する姿勢を取らない政治家がでる。重光葵、石橋湛山、田中角栄等、近年においては橋本龍太郎、鳩山由紀夫、小沢一郎等である。しかしこれらは潰され、日本の外交・安全保障政策の潮流を作れない。
他方米国が日本の外交安全保障政策を支配したいとする動きは強く、日本の外交・安全保障政策はこの枠内で形成されたと言っていい。
こうした点で、日中関係を、米国の極東戦略との関係で見ていきたい。
・終戦前構想
 ルーズベルト時代、米ロの協調で戦後の世界秩序