法律の経過をたどると、1951年旧日米安保条約が締結され、1953年にNATO地位協定が締結された。NATO協定に倣って一部が改正され現状日米安保条約が1960年に締結され現在に至っている。 米国とNATOの根本的差は、2国間協定か多国間協定かである。当然のことであるが、敗戦国(ドイツ、イタリア)と他の国では協定内容が異ならざるを得ず、細目については、ドイツと米国の個別的な補足協定が締結されている。 今回テーマに上がっているドイツとNATO間の協定は多国間協定であり、日本と米国のような個別協定と対比比較する妥当性に疑問符が付く。ドイツ権限を大幅に認めた方が、ドイツが一番大きな国であり、他の加盟国をまとめていくために米国が得策と考えれば、米国の当事者能力を制限することが可能である。日本の場合は米国に利益があれば認めるが、米国に全く利益がなければ認めないということは当たり前といえる。現在保持している利益を放棄するのは、かわりに大きな利益が確保される場合である。どうしても認めさせたいのであれば、敗戦国のレッテルを除くために戦争で勝つことである。土台無理なことである。
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孫崎享チャンネル
(ID:18367902)
法律の経過をたどると、1951年旧日米安保条約が締結され、1953年にNATO地位協定が締結された。NATO協定に倣って一部が改正され現状日米安保条約が1960年に締結され現在に至っている。
米国とNATOの根本的差は、2国間協定か多国間協定かである。当然のことであるが、敗戦国(ドイツ、イタリア)と他の国では協定内容が異ならざるを得ず、細目については、ドイツと米国の個別的な補足協定が締結されている。
今回テーマに上がっているドイツとNATO間の協定は多国間協定であり、日本と米国のような個別協定と対比比較する妥当性に疑問符が付く。ドイツ権限を大幅に認めた方が、ドイツが一番大きな国であり、他の加盟国をまとめていくために米国が得策と考えれば、米国の当事者能力を制限することが可能である。日本の場合は米国に利益があれば認めるが、米国に全く利益がなければ認めないということは当たり前といえる。現在保持している利益を放棄するのは、かわりに大きな利益が確保される場合である。どうしても認めさせたいのであれば、敗戦国のレッテルを除くために戦争で勝つことである。土台無理なことである。