りゃん のコメント

トランプは平和にすると自分でもいい、信じているひとびとも多いが、トランプになにか手品ができるわけではない。
今の中露北イを相手に平和を実現するには、全く異なるふたつのベクトルのどちらかを採用するしかない。民主党政権は要するにこのどちらかに振り切らなかったため、平和を実現できなかった。

①徹底的に相手を抑圧し、抵抗できなくする
②手を引き、相手の好きにさせる

中東では、予定人事を見る限り、①を採用する可能性が高い。この場合、トランプは直接イランと戦争はしないにしても、イスラエルによる核施設攻撃や、要人暗殺は認めるかもしれない(ソレイマニ暗殺はトランプのとき)。また、油価を低めに維持するだろう(米国内のインフレ対策にもなる)。これによってイランの貿易収支は悪化する。さらにイランに対する経済制裁は今以上に徹底的なものになるだろう。この結果、ヒズボラなどイランの「支店」にはカネがまわらなくなり、さらにイスラエルは「支店」の幹部暗殺もするだろうから、結果的に「平和」が実現する。

中共に対しては、バイデンのときから、「中共に侵略をはじめさせない」諜報工作をとっている(ロケット軍の件など)ところ、これを維持しつつ、さらに経済的に締め上げていくだろう。①の変法というべきか。

ウクライナは、ポンペオを採用しなかったところをみると、基本的には②なのだろうが、次の点に考慮すべきだ。
1、武器を売らないとは言っていないこと。「ビジネス」であれば、米国が武器を売る可能性はあるというか、高い。なお、武器を売るビジネスは、多くの国がやっており、なんなら中共がいちばんやっているのではないか。「軍産複合体」というほどのものではない。
2、ウクライナ独立問題はもともと欧州とロシアとの国際関係の問題であること。NATOができたり、米国が国際関係に大きく登場してくる以前からの問題であり、米国抜きでも、英仏独や東欧に独自の対応がありうる。
3、おろかにも、ロシアが北を実戦にひきこみ、イランもほとんどひきこみつつあるため、「世界大戦」になりかけていること。「世界大戦」であれば、中東にも東アジアにも波及が考えられ、米国も知らん顔はしにくいだろう。

No.10 2日前

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