中庸左派 のコメント

フランスの歴史家として有名なエマニュエル・トッド氏は、「ロシアの勝利はヨーロッパを解放するだろう」と語った。

https://www.rt.com/news/605486-russian-victory-free-europe-historian/

RTの記事からの引用。

-------引用ここから-------

この著名な知識人は、西欧諸国は事実上、西欧諸国の代表権を米国に委譲し、それ以来ずっとその代償を払ってきたと主張している。インタビューの中で彼は、ウクライナ紛争が続いているため現時点ではこの事実を変えることはできないと主張しているが、その結果が「ヨーロッパの運命を決める」だろうと示唆している。

「もし私が信じているように、米国が敗北すれば、NATOは崩壊し、ヨーロッパは自由になるだろう」とトッド氏は同メディアに語り、ロシアがドニエプル川沿いに拠点を築いた後、西ヨーロッパを軍事的に攻撃せざるを得なくなる可能性は低いと指摘した。

「共産主義以前のロシアの国境が再構築されれば、ロシアには拡大する手段も意欲もないだろう。ヨーロッパにおけるロシアの拡大を夢想する西側諸国のロシア嫌いのヒステリーは、真面目な歴史家にとっては単純にばかげている」と彼は語った。

-------引用ここまで-------

トッド氏の主張が正しいなら、冷戦時代の思考様式は時代遅れ、ということだ。NATOは東西対立、イデオロギー対立の遺物である。

ありもしないロシアの脅威を鵜呑みにして、煽る行為は、西側欧州のクビを絞めているだけの自傷行為に等しい。ドイツ経済はボロボロになり、欧州全体が物価高に襲われ、ウクライナ難民が流入し、一般庶民のNATO、EUに巣くう支配エリートへの反旗が拡がっている、という状況だろう。

NATOを軸にアメリカ帝国にすがり、主権を明け渡す政策、即ち冷戦思考が行き詰まりを見せている。NATOは軍産複合体やDSの利益を代表するだけで一般大衆の利益を無視する寡頭政治マシーンだろう。

結局、冷戦の遺物、集団安全保障体制から抜け出せていないのは西側G7諸国に特に顕著な傾向に見える。

結果的に没落しつつあるアメリカ帝国の覇権にすがり、下支えすることで、国家主権を放棄して、属国化し、共倒れリスクを負っている。

これは欧州だけでなく、東アジアも同様だろう。日米、韓米軍事同盟も単なる冷戦の遺物過ぎない。核の傘も、通常戦力による集団安保体制も画餅であるなら、基地負担だけを負い、しかも攻撃目標となるだけの百害あって一利なしではないか?

やれ北朝鮮がミサイルを発射しただの、中国の脅威だの騒ぎ立てることで、結局アメリカ帝国の属国として縛りつけられ、守ってほしいならカネを払えと、究極の迷惑施設米軍基地わざわざ維持する愚かさよ。ガラクタみたいなアメリカ帝国の兵器を、言い値で買わされ、挙げ句、納品は先送りみたいな、バカバカしい状況がアメリカ帝国との軍事同盟の実態だ。

通常の思考力があるなら、戦後80年経つから、冷戦思考はもう古いのでは?となるのだろうが、B層ばかりのこの国では、アメリカ様が必ずや日本をお救い下さる式の妄想は、未だ根強い。

アメリカと同盟して、中国に勝つ、みたいな旧態依然たる冷戦思考から抜け出せないと、トランプに米軍撤退を脅されたら、ホイホイ、おカネ払うから、いて下さいなんて「土下座外交」をすることだろう。マッタク、情けないったら、ありゃしない。

No.4 2ヶ月前

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