私は安倍派議員らが怨み節を言いたいキブンは分からないではない。内輪の論理、内輪のリクツはどんなセカイにもある。長いものに巻かれて甘い汁を吸うのは、有りがちな人情だ。ジブンだけがワルいのではない、と。とはいえ、裏金脱税議員らの庶民目線とのズレはヒドイものだ。 選挙の時だけ、庶民目線の甘言を弄して、当選すれば「上級国民」ヨロシク、一部の特権層で利益を分配しあう。下層の庶民は、ヨラシムベシシラシムベカラズというカンジで、上手いことダマシテ従わせることはできるだろう、と。 私は、こういう政治の状況を一種のエリート支配現象ではないか、と考えている。つまり、国会議員や高級官僚、経団連などの上場企業群に代表される経済界、こういう部門を構成する特権エリート層が、ジブンたちに都合よく利権を分配しあい、この層だけで甘い汁を吸い上げる構図。こういう層は、ジブンたち特権層の利害しか眼中になく、庶民は上手く騙して支配する対象、そんなカンジではないか?要するに、日本は民主主義ではない、単なる寡頭政治。 例えば、商社とか輸出関連大企業はこの間、円安メリットにより、円建て決算で最高益を叩き出した企業は多いという。だが、多くの生産部門は海外生産にシフトしており、当該大企業の従業員はオコボレで給料は上がったのだろうが、中小企業やその従業員など日本国内で経済活動を行うだけの大多数の庶民にとっては、経常利益最高益といわれても、国内投資にまわしてもらうでもなく、単に円安物価高の被害にあっているだけだ。 実質賃金は上がらず、むしろ下がる傾向が続いた。 そして、能登半島の復興は遅々として進まない。 こういう状況は、一部の特権エリートによる政治経済社会の私物化、或いは簒奪に見える。 この状況は、政治においては安倍政権時代のモリカケ問題や桜を見る会の問題に如実に現れていたと思われる。社会的には東京オリンピックでも、スポンサー契約を巡り汚職が明るみに出た。 まさに政治経済社会における、今だけ金だけ自分だけ、の蔓延だ。 庶民目線でいうなら、円安に加えて資源価格高騰も痛手だ。何故、資源価格高騰かと言えば、ウクライナとイスラエルが戦争を続けて、アメリカ帝国ら西側がその戦争の後押しをしているからだ。 資源大国ロシアへの経済制裁といい、イスラエルによる産油国への攻撃といい、アメリカ帝国ら西側エリート、DSは資源価格高騰原因をワザワザ作っている。庶民にはデメリットしかない戦争支援を、庶民を騙して延々継続している。 戦争支援が原因の物価高に象徴される、このようなエリートと庶民の利害の不一致は、今や西側世界では大きな政治問題である。欧州とりわけ、フランスの国民連合や、ドイツのための選択肢、イタリアの同胞といった、所謂「右派」の伸長はこういう文脈で捉えるべきであって、極右勢力の台頭などということは誤った評価だろう。何故なら、概して、今や右派のほうが反戦派であるから。むしろ、ウクライナ支援反対を唱えるのは、右派である。 日本における自民党政治とは、政官財の癒着をベースにした特権エリート層による利益配分システムと見て良いだろう。それを国際的に支えていたのは、アメリカ帝国ら西側による世界支配システムではなかったか?しかし、そのシステムはアメリカ帝国や欧州の没落と共に、機能不全となりつつあるのではないか? もしも、ホントに日本で政権交代が実現するなら、それは日本的エリート支配に対する庶民の反旗なのかもしれない。そのような世界的文脈から、国内政治を解釈すると、この成り行きをスコシ面白く見れそうではある。 もっとも、そのようなエリートへの反旗みたいな政治的目的志向性をもつような国民性なら、ここまで自民党政権が続いてはいないだろう。 私は観察の目線で、今回の選挙を眺めたいと思う。
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私は安倍派議員らが怨み節を言いたいキブンは分からないではない。内輪の論理、内輪のリクツはどんなセカイにもある。長いものに巻かれて甘い汁を吸うのは、有りがちな人情だ。ジブンだけがワルいのではない、と。とはいえ、裏金脱税議員らの庶民目線とのズレはヒドイものだ。
選挙の時だけ、庶民目線の甘言を弄して、当選すれば「上級国民」ヨロシク、一部の特権層で利益を分配しあう。下層の庶民は、ヨラシムベシシラシムベカラズというカンジで、上手いことダマシテ従わせることはできるだろう、と。
私は、こういう政治の状況を一種のエリート支配現象ではないか、と考えている。つまり、国会議員や高級官僚、経団連などの上場企業群に代表される経済界、こういう部門を構成する特権エリート層が、ジブンたちに都合よく利権を分配しあい、この層だけで甘い汁を吸い上げる構図。こういう層は、ジブンたち特権層の利害しか眼中になく、庶民は上手く騙して支配する対象、そんなカンジではないか?要するに、日本は民主主義ではない、単なる寡頭政治。
例えば、商社とか輸出関連大企業はこの間、円安メリットにより、円建て決算で最高益を叩き出した企業は多いという。だが、多くの生産部門は海外生産にシフトしており、当該大企業の従業員はオコボレで給料は上がったのだろうが、中小企業やその従業員など日本国内で経済活動を行うだけの大多数の庶民にとっては、経常利益最高益といわれても、国内投資にまわしてもらうでもなく、単に円安物価高の被害にあっているだけだ。
実質賃金は上がらず、むしろ下がる傾向が続いた。
そして、能登半島の復興は遅々として進まない。
こういう状況は、一部の特権エリートによる政治経済社会の私物化、或いは簒奪に見える。
この状況は、政治においては安倍政権時代のモリカケ問題や桜を見る会の問題に如実に現れていたと思われる。社会的には東京オリンピックでも、スポンサー契約を巡り汚職が明るみに出た。
まさに政治経済社会における、今だけ金だけ自分だけ、の蔓延だ。
庶民目線でいうなら、円安に加えて資源価格高騰も痛手だ。何故、資源価格高騰かと言えば、ウクライナとイスラエルが戦争を続けて、アメリカ帝国ら西側がその戦争の後押しをしているからだ。
資源大国ロシアへの経済制裁といい、イスラエルによる産油国への攻撃といい、アメリカ帝国ら西側エリート、DSは資源価格高騰原因をワザワザ作っている。庶民にはデメリットしかない戦争支援を、庶民を騙して延々継続している。
戦争支援が原因の物価高に象徴される、このようなエリートと庶民の利害の不一致は、今や西側世界では大きな政治問題である。欧州とりわけ、フランスの国民連合や、ドイツのための選択肢、イタリアの同胞といった、所謂「右派」の伸長はこういう文脈で捉えるべきであって、極右勢力の台頭などということは誤った評価だろう。何故なら、概して、今や右派のほうが反戦派であるから。むしろ、ウクライナ支援反対を唱えるのは、右派である。
日本における自民党政治とは、政官財の癒着をベースにした特権エリート層による利益配分システムと見て良いだろう。それを国際的に支えていたのは、アメリカ帝国ら西側による世界支配システムではなかったか?しかし、そのシステムはアメリカ帝国や欧州の没落と共に、機能不全となりつつあるのではないか?
もしも、ホントに日本で政権交代が実現するなら、それは日本的エリート支配に対する庶民の反旗なのかもしれない。そのような世界的文脈から、国内政治を解釈すると、この成り行きをスコシ面白く見れそうではある。
もっとも、そのようなエリートへの反旗みたいな政治的目的志向性をもつような国民性なら、ここまで自民党政権が続いてはいないだろう。
私は観察の目線で、今回の選挙を眺めたいと思う。