中庸左派 のコメント

日本の経済状況を考えるとき、私は二つ大きな論点があると考えている。

一つは、第二次安倍政権以降続いたアベノミクスの是非。

もう一つは、対米従属経済の問題。

この二つの問題を総括した上で今後日本経済はどうあるべきか?方向性を論じる必要があると考えている。

だが、このような議論をする空気はほぼ無いカンジである。

アベノミクスは、私はインフレターゲットは達成できず、実質賃金があがらなったのだから、完全に失敗であったと思うが、もはや利上げによる国債利払いの問題や、国債価格下落リスクを考慮すると、金融政策の幅は狭くならざるを得ないのではないか?

つまり、経済の好循環を全く達成出来なかったアベノミクスは、日本経済を出口の見通せないまま縛り続けると考えている。もはや、手遅れではないか?

一方、もう一つの問題、対米従属経済からの脱却は、活路にならないだろうか?

思えば、日米経済摩擦、規制緩和、新自由主義、グローバルスタンダードの押し付け、年次改革要望書等、日本は常にアメリカ帝国から経済的な圧力を受け続けてきた。非正規労働者の増大、民営化、弱肉強食、格差社会と言った今日的問題は全てアメリカ帝国からの対日圧力に起因していると言っても過言ではないだろう。

その圧力に屈した結果は、失われた何十年と言われる長期低迷である。アメリカ帝国の言うことに唯々諾々と屈していれば、日本経済はこのような従属と低迷を強いられる、ということだろう。

時は流れ、アメリカ帝国経済は財政赤字、金融不安、移民問題、対立と分断により、大きく不安定の度合いを増している。他方、BRICSやSCO等新興の多国間経済協力関係は、新たな巨大な経済圏を構築し始めている。BRICSによる共通通貨決済システムの構築はドル覇権を間違いなく掘り崩すことになるだろう。

世界は多極化している。その新しい潮流に載ることが、日本経済の活路になるのではないか?

だが、アメリカ帝国に洗脳されたこの国の政治経済行政メディアの中枢にいるエスタブリッシュメントからは、そのような議論は皆無に見える。そして被治者のほとんどをしめるB層は、輪をかけて旧態依然たる対米従属根性である。

結論的には、日本経済の没落と低迷は今後も深刻化するだろう。

No.1 5日前

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