中庸左派 のコメント

どんな社会でも、様々な懐疑、不信、不満は大なり小なり渦巻いているものであろう。そうしたなかでも、ロシアについて考えるなら、やはりウクライナにおける特別軍事作戦に関する世論の動向や、プーチン政権に対する支持の大小が重要だろう。

この点について、ロシア国民の意見はあまりブレがなく、状況を受け入れているようだ。その意味では、ロシア指導部に後顧の憂いはあまりなさそうである。

https://www.statista.com/statistics/896181/putin-approval-rating-russia/

https://www.norc.org/research/projects/russian-public-opinion-wartime.html

田中宇氏は、「ウクライナ戦争の永続」という分析記事の中で、「ウクライナ戦争の態勢(米国側の露敵視)が続く限り、非米側は米国側から隔絶されたまま、独自の世界システムの構築や改善を継続できる。
逆に、和解交渉と停戦によってウクライナ戦争の態勢が終わると、非米側が米国側の世界システムを再び使えるようになる。まだ非米側より米国側のシステムの方が便利なので、非米側の一部が米国側のシステムに戻り、結束が崩れかねない。

米国側システムは便利だが、非米側からピンハネする体制であり、米国が気に入らない非米諸国を勝手に経済制裁できる体制でもある。非米側の長期的な発展のためには、米国側との再統合を避け、非米側の独自システムの構築を完遂した方が良い。
だが、ウクライナ戦争が早めに終わったら、そうした理想よりも、日々の利便性が優先されて非米システムが放棄されかねない。ほとぼりが冷めたら、ロシアは再び制裁される。
それを防ぐため、プーチンはウクライナ戦争を犠牲の少ない膠着状態で永続させることを考え続けている。これは、ロシアを発展させる策でもある。」と書いている。

https://tanakanews.com/240827russia.htm

田中氏の見方の前提には、ロシア世論の支持は不可欠だろう。ロシアはウクライナによるクルスク州進攻に激怒し、和平交渉を拒絶した。ロシア世論の支持があれば、ますますゼレンスキーは追い込まれたことになるのかもしれない。東部ドンバス地域では間違いなくロシアは勝っている。

それにしても、相も変わらず「共和制の帝国」などと言って、上から目線でロシアを批判的に見ているリベラルを含む日本の言論状況は酷い。レベルが低すぎる。

No.5 3週間前

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