資本の運動原理が行き着く先にもたらす世界秩序は「帝国」の形をとって収束するというのがマルクス哲学の結論なんです。一方、資本に搾取される労働はその矛盾克服のために世界共産主義革命が運命づけられていたのですが、ソ連が自滅的に崩壊して米帝国主義が残り、運動原理の最終段階にある「帝国」への途上段階に米国はあるのです。 21世紀にはいってからの米帝国主義のトラックレコードを見るに、軍事活動は悉く失敗し、要のドル基軸通貨体制は自己抑制に欠け、帝国を目指す一等国としては無惨な姿を露呈していると言えましょう。 米国が産業を放棄し、基地網を広げ、ドルの世界支配が成立したところで、帝国を目指すその枠組みが出来上がろうとするその時期に大きく躓き始めているのです。 USステイ―ルの海外からの買収にトランプもバイデンも反対している。米国の政治は自分らが帝国として世界に範を垂れなくてはならないことをもしっかりと失念してしまっていて、これでは三流の国民国家並のものではないでしょうか。いずれは、しかも近々、中露が世界をリードし、この世界を秩序付けることになるのでしょうかね。
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孫崎享チャンネル
(ID:19005377)
資本の運動原理が行き着く先にもたらす世界秩序は「帝国」の形をとって収束するというのがマルクス哲学の結論なんです。一方、資本に搾取される労働はその矛盾克服のために世界共産主義革命が運命づけられていたのですが、ソ連が自滅的に崩壊して米帝国主義が残り、運動原理の最終段階にある「帝国」への途上段階に米国はあるのです。
21世紀にはいってからの米帝国主義のトラックレコードを見るに、軍事活動は悉く失敗し、要のドル基軸通貨体制は自己抑制に欠け、帝国を目指す一等国としては無惨な姿を露呈していると言えましょう。
米国が産業を放棄し、基地網を広げ、ドルの世界支配が成立したところで、帝国を目指すその枠組みが出来上がろうとするその時期に大きく躓き始めているのです。
USステイ―ルの海外からの買収にトランプもバイデンも反対している。米国の政治は自分らが帝国として世界に範を垂れなくてはならないことをもしっかりと失念してしまっていて、これでは三流の国民国家並のものではないでしょうか。いずれは、しかも近々、中露が世界をリードし、この世界を秩序付けることになるのでしょうかね。