中庸左派 のコメント

 個人的には、経済成長優先の考え方は持っていない。といっても、『人新世の資本論』において斎藤幸平氏が展開したような環境優先の社会を目指し、経済成長一辺倒から脱却するべき、というほど環境原理主義の立場ではない。CO²削減とか、化石燃料の使用制限は、グローバルサウス等の発展を阻害するだろうから、好ましいとは考えていない。これは西側諸国のご都合主義だと考えているから、SDGsにも積極的に与する気はない。

 しかし、だからと言って、経済成長至上主義は全く受け入れられない。

 だから、私は、株価、景気、GDPの大小で一喜一憂する立場ではない。私が一番シックリいった価値観は民主党政権当時の「コンクリートから人へ」であった。

 いずれにしろ、個人的にはGDPの世界順位を維持すること自体には、価値は見出すことはできない。

 前置きが長くなってしまったが、その上で、私が日本のGDP4位転落の問題で引っかかるのは、その原因である。

 即ち、円安が原因という説明。

 何故円安か?それを考えるなら、アメリカ帝国が物価高を理由に利上げしているから、であろう。金利の高いアメリカ帝国に資金が吸い寄せられているから、ドルが買われ、円が売られる、という構図。

 なんのことはない。アメリカ帝国のジコチューな金融政策の煽りをモロに受けているだけ。別の言い方をするなら、基軸通貨ドルの横暴だ。いい加減、この構図を脱却するべきだ。

 もっとも、日銀は金融緩和政策を基本的に維持しながら、国債価格が暴落しないよう利上げは慎重に行うつもりだろう。利上げをすれば、国債価格が暴落して、債務残高が膨らむことなりかねない。それを見て、外国の投機筋が日本国債を売り浴びせれば、円安と国債暴落、日本株安の連鎖に繫がりかねない。

 そうなれば、国家破綻、日本経済崩壊になるかもしれない。

 いずれにしろ、円安は日本の国富が毀損して、国民が窮乏化する要素であることは間違いない。輸出目当ての円安礼賛や、アメリカ帝国の金融政策の煽りを受けた円安、といったことに象徴される偏った幅のない経済政策、金融政策から、国民の財産である円を強くするための経済金融政策に転換するべきではないだろうか?

 強い円こそが、強い日本の社会経済の象徴となるのだと考えている。

No.4 9ヶ月前

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