p_f のコメント

RT 13 Feb, 2024

エリート対庶民:米国は今や二層構造国家
https://www.rt.com/news/592368-us-split-elites-americans/

最近の報告書は、裕福な大卒者とそれ以外の人々との間の溝が如何に深いかを示している-

米国の作家、ジャーナリスト|ロバート・ブリッジ記

気候変動に対する見解から教育に対する見解に至るまで、米国民の上位1パーセントに属する富裕層が表明している様々な意見は、現状から かけ離れ過ぎているため、国を沈没させかねない。

人々が昆虫を食べ、不法移民を受け入れ、15分都市(生活に必要な施設―店舗・学校・職場など―の全てに徒歩または自転車で15分以内に行けるように設計された都市)に住み、一切何も所有しないことを強制されるという不安な話題で持ちきりの時、その間ずっと「幸せでいられる」か、そうでなければ!―このような大胆な構想に多額の資金を投じる人々、つまりエリートたちの考え方を検証するのに、これ以上のタイミングはない。

「繁栄を解き放つ委員会」(CUP)によれば、エリートとは、少なくとも1つ以上の大学院の学位を持ち、年収が少なくとも15万ドル以上あり、ニューヨーク、ボストン、ロサンゼルスなど、主に都市沿岸部の人口が多い地域に住む人々のことである。この甘やかされ、成績優秀な種族のメンバーは、ハーバード、コーネル、イェール、プリンストンなど、米国に12校ある名門アイビーリーグ大学のいずれかを卒業している可能性が高い。

エリート層は、恥じることのない偽善の点でも際立っており、例えば、気候変動による人類の悲惨な運命についてクラウス・シュワブが説教するのを聞くために、プライベートジェットや豪華ヨットで毎年スイスのダボスへ巡礼に出かける際、大量の二酸化炭素を排出している。

もしあなたが、この人たちの政治観が主にリベラルで民主党的なものだと既に推測しているなら、それは間違いではない。「自分たちで構築したバブルの中で生きている」のは、このような人々だ。彼らは一般の納税者である米国市民の参加なしに、大学のキャンパス、旧来のメディア、企業の役員室から公共政策を決定している。彼らの権力をよりよく理解するためには、ジョージ・フロイドを巡る「激しいが、殆ど平和的な抗議行動」に対して彼らが見せた大規模な全面的攻撃を思い起こせば十分だろう。

CUPによれば、「エリート層は、党派に関係なく、普通の米国人とは異なる視点で米国を見、経験する排他的なクラブである」。言い換えれば、一滴の血も流すことなく、米国民は2つの異なる国家を受け継ぐようになったのだ。一つは「より裕福で、より高度な教育を受け、最高の学校に通った」者たちの国家であり、もう一つの方に居るのは、まあ、その他すべての国民である。ヒラリー・クリントンがかつて恥かしくも「嘆かわしい人々」と呼んだように、政治的通路の向こう側、即ち「田舎州」に住む神を畏れ、銃を携えた人々のことだ。

エリートたちは、「人々の問題を解決する」大きな政府に絶大な信頼を置いている。例えば、白人嫌悪の批判的人種理論からトランスジェンダーのイデオロギーに至るまで、あらゆる実験を子供たちに押し付ける進歩主義者たちによる、公立学校制度の過激な乗っ取りは、このような凝り固まった思考で説明が付く。このような特殊な洗脳に反抗しようとする親たちは、FBIの監視リストに載せられてしまう。

家族問題研究所と倫理・公共政策センターの報告書によれば、平均的な米国人は、自分たちの生活への政府の介入を増やしたいのではなく、減らしたいのだという。

「親たちは、単に政府が邪魔をしないよう望んでいるわけではなく、家族を育て易くするための積極的な手段は支持しているのだ。特に共和党の親たちは、家族にかかる経済的ストレスだけでなく、彼らが乗り越えなければならない文化的課題についても懸念している」

米国の その他とは対照的に、エリート層の3分の2(67%)は、学童に何を教えるかは親が決めるのではなく、教師やその他の教育関係者が決めるべきだという意見である。ほんの10年前なら尤もな考えだったかもしれないが、米国は激変し、教師にはもはや子供を任せられないと多くの保守派は考えている。

同時に、エリート層の70%が政府は「正しいことをしている」と信じており、60%近くが「米国では個人の自由が多過ぎる」と考えている。これは米国人全体における割合の2倍だ。個人主義と個人の自発性を強力な信念として建国された国に住む米国人が、自由を恐れるべきものだと考えるようになるとは想像し難い。

このように、米国の金ピカ貴族の半数から3分の2は、「環境保護」のためにSUV、ガスコンロ、エアコン、不要不急の航空旅行などの消費財を禁止することに賛成している。しかし、そのような強権的な措置が富裕層に影響を与えることはない。彼らは体制に近いため、自分たちが容認する政策そのものからは常に守られている。エリートの60%が弁護士、ロビイスト、政治家、ジャーナリストを好意的に捉えているのはそのためである。彼らは権力と特権を維持するために何が必要かを理解しているのだ。

一方、平均的な米国人は、これら全ては政府権力の行き過ぎであり、実質的にこの国を99%の人々のための収容所にしようとする取り組みであると見做している。しかし、彼らの力ではこの流れを変えることは難しく、このことが、彼らに代わって「ディープ・ステート」と戦争をすることを約束する全能のオレンジマン、ポピュリストのドナルド・トランプ氏の絶大な人気を十分に説明している。それに比べ、ジョー・バイデン大統領はエリート層の間で84%の支持率を得ている。これは一般大衆の約2倍である。

当然のことながら、経済面における意見の違いは、もう一つの対照を明らかにしている。パンデミック後の経済的苦難の時期、多くの米国人が生活のために2つ目、3つ目の仕事に就かざるを得なかった際、以前より現在の方が経済的に恵まれていると答えたのは米国人全体の20%だったが、エリート層では74%に上った。

このような状況は、米国にとって良い兆候ではなく、重要な大統領選挙の年には尚更である。米国の平均的な保守派は、ドナルド・トランプ氏の再選(の可能性)に幾らか安堵感を覚えるのだろうか、それとも世界は、今度は非常に現実的な内乱を伴いそうだとはいえ、再び「1月6日」を目撃することになるのだろうか。エリート層とそれ以外の人々を隔てる溝は日に日に深まっており、この国を待ち受けている可能性のある未来はこの2つしかないように思われる。

No.11 10ヶ月前

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