中庸左派 のコメント

 こういう自民党政権の支持率を見ているといつも思うのだが、ではこの支持率低下が政権交代の契機になるか、というと必ずしもそうはならないもどかしさである。

 2017年は政治はモリカケ問題に揺れていたが、結局その年10月の衆院総選挙では自民党が単独過半数を維持した。結局、喉元過ぎればなんとやら、みたいなカンジで自民党は揺らぐことはなかった。

 B層有権者は忘れやすく、政治権力からするなら、御しやすいのであろう。一時民主党が政権を担ったことがあったが、陸山会事件のような微罪での謀略的な捜査により、政権の最高指導者であった小沢一郎氏が失脚させられるなどして、政権交代による政治選択は遠く退き相も変わらぬ自公政権による腐敗堕落政治が続いている。

 長年の自公政権、自民党政治の弊害は留まるところがない。モリカケ問題の忖度と便宜供与。桜をみる会のお手盛り私物化政治。木原問題に現れた犯罪捜査に対する圧力。裏金。贈収賄。札束が飛び交ったオリンピック。利権金権政治。

 これらは、私の見る所、有権者や庶民は蚊帳の外で、一部のエリート、即ち大企業、政治家、官僚、マスメディアなどが自分達だけの特権的ネットワークを作り上げて、自分達に都合よくお金(利権)を回し合っている構造が出来ているような印象だ。

 結果、庶民はますます物価高や円安に苦しめられ、窮乏化している。物価高は明らかにアメリカ帝国がおこした戦争により資源価格が高騰しているから生じており、円安にしてもアメリカ帝国が利上げをしているから、円安圧力になり輸入物価高になるというわけで、全てはアメリカ帝国のご都合主義に振り回され、国益を毀損しても何も言えない傀儡を続けるだけの自民党政治の失策が根本要因だ。

 いい加減、この悪循環を断ち切るべきであるが、日本政治の先行きは劇的な変化は難しいのではないか?

 外交上の長年の懸案である北方領土問題にしても、北朝鮮拉致問題にしても、日米安保条約によりアメリカ帝国の傀儡を続けている限り、解決はないだろう。沖縄基地問題もしかりである。

 その意味では、自民党政治と日米同盟が日本政治の行き詰まりの根本原因と言わざるを得ない。まずは、政権交代により政策の選択肢を拡充することから行き詰まりを打開するべきだ。

No.8 9ヶ月前

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