中庸左派 のコメント

 田中角栄氏は日本列島改造論を掲げていた。結果的に地価高騰を煽ったみたいな否定論はあったが、地方に焦点をあてて、バランスのよい発展を目指した姿勢には共感する。
 日中国交正常化にしても、明確なビジョンを持ち、政策を具現化する政治力のある稀有な政治家であったと考えている。
 それは地に足がしっかりつき、アメリカ帝国の磁場に引き寄せられることから踏みとどまることが出来ていたからなのであろう。
 しかし、田中氏が失脚して後、日本は転げ落ちるように、アメリカ帝国に隷属する道を進み始めた。

 不沈空母発言の中曽根。プラザ合意による円高とバブル経済、その破裂。失われた30年と言われる長期的経済低迷。新自由主義イデオロギーによる民営化政策、貯蓄から株へ、非正規雇用の増大、格差社会。

 規制緩和だの、既得権益打破だのもっともらしいスローガンを掲げて推進された政策は、アメリカ帝国の新自由主義イデオロギーとかグローバリズムの路線に沿って、国富をアメリカ帝国に吸い上げられ、国内的には弱者切り捨て、格差社会への転換でしかなかった。

 気づけば日本は、アメリカ帝国の尻馬に乗って、にっちもさっちもいかない長期低迷に陥っている。しかも、B層ばかりのこの国で、そのアメリカ帝国との歪んだ関係に気づくこともなく、相変わらずアメリカ帝国を崇拝し、隷属し続けている茹でガエル状態である。

 世界は多極化の潮流にある。アメリカ帝国は遅かれ早かれ没落の道をたどっている。多極化のリーダーは中露である。だから、中露との関係強化は、国益を考えたら当然必要な姿勢だ。

 そんな時代の奔流を的確に捉えて指導力を発揮する政治家は、日本に現れるのだろうか?田中角栄氏のような政治家が必要だと考えている。

No.4 12ヶ月前

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