ヘルツォークがどういうつもりで、「This war is not only a war between Israel and Hamas, it's a war that is intended, truly, to save Western civilization. To save the values of Western civilisation」と言ったのかは本人に聞いてみるしかないが、上記考察を経た上で考えれば、ポグロムに端を発する強烈な「安定した国家秩序、その国家によって守られる法(=西欧近代の生み出した法)というものがあってこそ、ユダヤ人は安心できる」という思考が流れ出たものと想像するのは容易だ。
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(1)鶴見太郎の「イスラエルの起源 ロシア・ユダヤ人が作った国」によれば、
1921年にパリで創刊された雑誌「ユダヤ・トリビューン」に次の一節があるという。
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ユダヤ人は法の民族である。古代の伝統においてだけでなく、すべての歴史的経験のなかで、また実際の道徳的・物質的利益においても。法の不在、アナーキー、そして感情の無法状態は、誰よりもユダヤ人にとって有害である。ユダヤ人にとっての法の崇高さとは、理想であるだけでなく、喫緊の要求であり、切実な必要である。だからこそ、ロシアのユダヤ人はこれほど積極的に、専制と暴力に対する法の勝利への偉大な闘争に参加したのだ。
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そして、この「法」を代表するのが(ユダヤ人にとって)西欧近代であり、「専制と暴力」を代表するのが、帝政ロシアであり、今回の事件でいえば、ハマス軍事組織の攻撃である。
どうしてユダヤ人がこういう思考になったかといえば、やはりポグロムがある。
前掲書から
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ポグロムの実態は、ユダヤ人に対する身体的な攻撃にとどまらず、商店の略奪も目立つ。これは警察や軍をはじめとする国家的秩序の担い手が不在であることが原因であり、国家が安定していれば、たとえ反ユダヤ主義的な雰囲気が蔓延していても、ポグロムにまで至るケースはかなり軽減されると彼らは踏んだのである。
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つまり、安定した国家秩序、その国家によって守られる法というものがあってこそ、ユダヤ人は安心できるという思考だ。
これはわたしの感想だが、こういう思考の極北からすれば、いまだに安定した国家もつくれず、突然テロ行為をしかけてくる連中は、たしかに「獣」にみえるのかもしれない。別にそれが正しいとわたしが言っているわけではないが。
ヘルツォークがどういうつもりで、「This war is not only a war between Israel and Hamas, it's a war that is intended, truly, to save Western civilization. To save the values of Western civilisation」と言ったのかは本人に聞いてみるしかないが、上記考察を経た上で考えれば、ポグロムに端を発する強烈な「安定した国家秩序、その国家によって守られる法(=西欧近代の生み出した法)というものがあってこそ、ユダヤ人は安心できる」という思考が流れ出たものと想像するのは容易だ。
ものごとをこのように総合的、あるいは相手の内在的に理解できないBaka層(※)が最近は絡んできて、ほんとうに迷惑している。
※ サヨクのB層のことをB_aka層、またはBaka層とわたしは呼んでいる。