4、 このようなことをフレデイさんにも考えていただければ、わたしがなぜ「イスラエルを移転させるとすればウクライナ」と考えるのか、少しは理解していただけるとおもいます。 最初に書いたように、背景には欧州全体のユダヤ人差別の歴史がありますが、われわれはパレスチナ問題をポグロム抜きに語ることはできないわけです。 まあ、ロシアが衰退して、そのうち分裂でもすれば、ロシアのどこかに「イスラエル」をつくるはなしも普通に語られるようになるかもしれませんね。 5、 >>米国に逃れたユダヤ人は第二次大戦が終わるころまで、共産主義者が多いと言うことで差別を受けてました。ドイツのナチスもユダヤ人は共産主義者だとレッテルを貼って弾圧を始めていて最終的にはホロコーストにまで発展したしたのです。 5-1、 シオニズムにもいくつか思想的な流れがあり、そのなかに「労働シオニズム」と呼ばれる左派的なシオニズムがあります。キブツと結びつくようなひとたちです。しかし、シオニズムにはそれ以外の流れもあります。 つまり、シオニストのなかに実際に共産主義者はいたと思いますが、シオニスト=共産主義者ではありません。 5-2、 そのうえで、米国で第二次大戦のころにユダヤ人のなかにどのくらいの共産主義者がいたのか、ホロコーストされたなかにどのくらいいたのかは、わたしには知識がなく答えられません。ただ、一般論からの想像では、ユダヤ人を攻撃するときに、「共産主義者だ!」とレッテルをはれば、議論の上でも実践の上でも、権威者や多衆の共感を得られやすい場合があるということでしょう。ここでも、わたしにレッテルをはりたがるヒトビトがいますしね。 米国のユダヤ人は、新参者なのに、持ち前の能力の高さと団結力の強さで、政治的にも経済的にもメキメキと米国で頭角をあらわしていたため、排斥もされやすかったのだろうとおもいます。 そしてすでに書きましたが、米国にユダヤ人がいるのは、ポグロムの【直接の】結果だということを、フレデイさんは思い出してください。ポグロムの結果パレスチナに移住したユダヤ人よりも、ポグロムの結果米国に移住したユダヤ人のほうが、はるかに多いのです(もちろん後にホロコーストから逃れた人々もいますがね)。 結論としては、米国におけるほとんどのユダヤ人は共産主義者だから弾圧されたのではないと考えています(「共産主義者」はただのレッテル貼りです)。米国におけるユダヤ人差別については米国独特の要素も考えられるためよく考えてみる必要がありますが、いずれにせよ、「米国でユダヤ人が差別されたからパレスチナ問題がおこった」という関係にはありません。 5-3、 なお、すぐ上で書いた「米国独特の要素」として、わたしが時々書く、リンドバーグらの「アメリカ第一主義」があります。かれらは、「ユダヤ人、イギリス(チャーチル)、ルーズベルト」が米国を欧州の戦争に参加させようとしていると考え、「ユダヤ人、イギリス(チャーチル)、ルーズベルト」を攻撃しつつ、米国は欧州の戦争にまきこまれるなと運動していたのでした。真珠湾攻撃前までは、この運動は米国世論から強い支持を得ていたといわれています。
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(ID:13458971)
4、
このようなことをフレデイさんにも考えていただければ、わたしがなぜ「イスラエルを移転させるとすればウクライナ」と考えるのか、少しは理解していただけるとおもいます。
最初に書いたように、背景には欧州全体のユダヤ人差別の歴史がありますが、われわれはパレスチナ問題をポグロム抜きに語ることはできないわけです。
まあ、ロシアが衰退して、そのうち分裂でもすれば、ロシアのどこかに「イスラエル」をつくるはなしも普通に語られるようになるかもしれませんね。
5、
>>米国に逃れたユダヤ人は第二次大戦が終わるころまで、共産主義者が多いと言うことで差別を受けてました。ドイツのナチスもユダヤ人は共産主義者だとレッテルを貼って弾圧を始めていて最終的にはホロコーストにまで発展したしたのです。
5-1、
シオニズムにもいくつか思想的な流れがあり、そのなかに「労働シオニズム」と呼ばれる左派的なシオニズムがあります。キブツと結びつくようなひとたちです。しかし、シオニズムにはそれ以外の流れもあります。
つまり、シオニストのなかに実際に共産主義者はいたと思いますが、シオニスト=共産主義者ではありません。
5-2、
そのうえで、米国で第二次大戦のころにユダヤ人のなかにどのくらいの共産主義者がいたのか、ホロコーストされたなかにどのくらいいたのかは、わたしには知識がなく答えられません。ただ、一般論からの想像では、ユダヤ人を攻撃するときに、「共産主義者だ!」とレッテルをはれば、議論の上でも実践の上でも、権威者や多衆の共感を得られやすい場合があるということでしょう。ここでも、わたしにレッテルをはりたがるヒトビトがいますしね。
米国のユダヤ人は、新参者なのに、持ち前の能力の高さと団結力の強さで、政治的にも経済的にもメキメキと米国で頭角をあらわしていたため、排斥もされやすかったのだろうとおもいます。
そしてすでに書きましたが、米国にユダヤ人がいるのは、ポグロムの【直接の】結果だということを、フレデイさんは思い出してください。ポグロムの結果パレスチナに移住したユダヤ人よりも、ポグロムの結果米国に移住したユダヤ人のほうが、はるかに多いのです(もちろん後にホロコーストから逃れた人々もいますがね)。
結論としては、米国におけるほとんどのユダヤ人は共産主義者だから弾圧されたのではないと考えています(「共産主義者」はただのレッテル貼りです)。米国におけるユダヤ人差別については米国独特の要素も考えられるためよく考えてみる必要がありますが、いずれにせよ、「米国でユダヤ人が差別されたからパレスチナ問題がおこった」という関係にはありません。
5-3、
なお、すぐ上で書いた「米国独特の要素」として、わたしが時々書く、リンドバーグらの「アメリカ第一主義」があります。かれらは、「ユダヤ人、イギリス(チャーチル)、ルーズベルト」が米国を欧州の戦争に参加させようとしていると考え、「ユダヤ人、イギリス(チャーチル)、ルーズベルト」を攻撃しつつ、米国は欧州の戦争にまきこまれるなと運動していたのでした。真珠湾攻撃前までは、この運動は米国世論から強い支持を得ていたといわれています。