p_f のコメント

RT 9 Nov, 2023

米国がモンゴルにウクライナ型のシナリオを準備している可能性
https://www.rt.com/news/586492-us-prepare-ukraine-style-mongolia/

ロシアと中国の間に位置し、天然資源が豊富なモンゴルは、米国が影響力を行使する貴重なターゲットとなる-

ジャーナリスト|ポール・マトべーエフ記

米国は、「カラー革命」を扇動し、他国の内政に干渉するという手口に忠実であり、モンゴルでウクライナ式のクーデターを準備する初期段階にある可能性がある、とロシア当局者は考えている。

「モンゴルの状況は、いかなる形であれ自国の利益を実現する必要がある所で進めている偽善的な米国の政策が、全てモンゴルに移されつつあるのが事実という点で、非常に厄介だ」とロシア・ブリヤート共和国のアレクセイ・ツィデノフ代表は述べた。同共和国はバイカル湖の東側に位置し、モンゴルと国境を接しており、係るコメントは同代表が9月にウラジオストクで開催された東方経済フォーラムの傍らに応じたRIAノーボスチとのインタビューで発された。

同氏によると、2014年にウクライナで米国が支援したユーロマイダンのクーデターで重要な役割を果たしたビクトリア・ヌーランド国務副長官代行は、現在モンゴルの人々を教化し、「若者を揺さぶろうとしている」。しかし同氏は、米国は成功しないと確信している。

「モンゴルでは指導者が全てを理解しており、国民も若者もリテラシーがあり、彼らは自分たちは単に利用され、操られるだけであることを理解していると私は信じている。米国の操り人形にならず、独立国家であり続けるために、彼らがこれに抵抗するだけの力を持っていることを望んでいる」とブリヤート共和国のトップは語った。

モンゴルの地理的、政治的位置は、この国を大規模な地政学的衝突の踏み台にする可能性がある。この国では、友好的な隣国であるロシアと中国の利害が交錯しているだけでなく、自国の地政学的課題を追求するためにモスクワと北京の影響力を制限しようとしている米国の利害も交錯している。

米国は、「民主主義」のための闘争という口実のもと、侵略とまではいかなくとも、干渉する準備は何処までも整っている。しかし、ロシア、中国、その他の発展途上国は、多極化しつつある世界秩序の中でワシントンに立ち向かっており、米国を世界的な覇権国家であると見做すことを もはや望んでいない。それでも、ホワイトハウスは態度を変えず、何が他国の利益になるのかをよく知っていると主張しているが、実際は単に他国の利益を無視しているだけだ。

「2014年以来、ウクライナに投資している米国の組織がモンゴルでも活動していることは周知の事実だ。従って、彼らの目的は明らかだ…ロシアと中国はモンゴルのパートナーだが、米国はモンゴルを我々に敵対させることを諦めていない」とロシア議会の下院、ショルバン・カラオール副議長は語った。カラオール氏の選挙区はトゥバ共和国で、モンゴルとも国境を接している。同氏は自身のテレグラム・チャンネルで、最近モンゴルを訪問した際の見解として、米国の大使館と非政府組織がモンゴルで非常に活発に活動していると書いている。しかし、具体的な組織の名前は挙げていない。

モンゴルの国内問題への米国の関与は、幾つかの点で明らかである。例えば、米国国際開発庁(USAID)は2023年4月18日、5年間(2023~2028年)のモンゴル戦略枠組みの立ち上げを発表した。「この戦略は、民主的な制度を強化し、国家主権を強化し、経済を多様化するためのモンゴルの努力を支援することに重点を置いている」と米国大使館は要約している。

USAIDはワシントンの主要な民間対外援助機関であり、その活動の一部は真っ当な救援活動であるが、ワシントンは政治的アジェンダを推進し、米国が好ましくないと考える既存の政府への反対を後押しするソフトパワーのツールとしてもUSAIDを利用している。米国の大統領候補ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏は、USAIDを「CIAの切り売り」と呼んだ。

モンゴルの場合、USAIDは明らかに反中国・反ロシアを推進している。例えば、この組織の公式ウェブサイトには、「モンゴルの『権威主義的な隣国』の影響は、比較的新しい民主的な制度と相まって、この国の民主的な将来を脅かしている」と書かれている。

2023年8月2日、カマラ・ハリス米副大統領とモンゴルのルブサンナムスライ・オユン=エルデネ首相はワシントンで会談し、米国とモンゴルの戦略的パートナーシップを強化した。訪問の一環として、米国は、モンゴルにおける米国の開発活動を更に拡大するために、今後5年間で最大2500万ドルに相当するUSAIDからの新たな資金を発表した。

「マイダンの助産婦」ビクトリア・ヌーランド氏のモンゴルとの関わりは1988年に遡り、モンゴルで米国大使館の開設を手伝った。 彼女は今年4月の訪問で再びこの国に姿を現し、この国に関する米国の意図について疑問を投げかけた。 彼女の訪問と、モンゴルの首都ウランバートルの中央広場での35年ぶりの一見象徴的な写真撮影は、この国が彼女の戦略的利益において重要な位置を占めていることを示唆している。 彼女はモンゴルでもウクライナのシナリオを再現しようとしているのではないかと推察される。

更に、情報筋の話を引用したロシアのイズベスチヤ紙によると、米国防総省はモンゴルで大規模な生物学的研究プログラムを準備しているという。ペンタゴンはモンゴル当局に、モンゴルに幾つかの特別研究所を開設する許可を求めている。専門家は、ウクライナの研究所で行われていたのと同じような研究をモンゴルに移す準備をしている可能性があると見ている。ロシアは、米国が生物兵器を開発していると非難しているが、ワシントンは当初、プロパガンダだと一蹴した。その後、ペンタゴンが支援する46の研究所がウクライナで操業していたことを認めたが、その研究は「公衆衛生と農業の安全性を向上させることに重点を置いていた」と主張している。これらの研究所が具体的に何をしていたのかについて調査を求めるモスクワの要求は、米国とNATOの同盟国である英国とフランスによって国連で拒否された。今、専門家たちは、モンゴルの研究所が、アジア系の人々の身体に対する危険なウイルスの影響を研究する計画かもしれないと考えている。

米国のモンゴルへの関心が高まっているもう一つの理由は、経済的なものである。人口僅か320万人のこの国には、銅、石炭、金、ウラン、その他の鉱物という膨大な資源があり、最大規模の鉱床の開発はまだ始まっていない。 また米国は、ロシアの天然ガスを中国に輸出するためにモンゴル領土を通過する予定のパワー・オブ・シベリア2パイプライン計画を妨害することも狙っている可能性が高い。

一方、モンゴルでは次の議会選挙が2024年夏に予定されており、議会の動向だけでなく、モンゴルの「民主主義のレベル」、そしてモンゴルと「第三の隣国」との関係も変わる可能性がある。

モンゴルに近接し、既得権益を持つロシアと中国は、モンゴルがウクライナの二の舞にならないようにするために重要な役割を果たす可能性が高い。彼らの援助は、モンゴルの安定を維持し、モンゴルがもう一つの破綻国家になるのを防ぐ上で極めて重要であろう。

結論として、ロシアと中国の安全保障を脅かすためにモンゴルを不安定化させようとしている米国の疑惑は深刻であり、注意深く観察する必要がある。国際社会は警戒を怠らず、世界の安定を維持するために平和外交を推進しなければならない。

No.7 13ヶ月前

このコメントは以下の記事についています

継続入会すると1ヶ月分が無料です。 条件を読む

孫崎享チャンネル

孫崎享チャンネル

月額
¥110  (税込)
このチャンネルの詳細