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 文科系です。拙ブログのある書の紹介を転載させていただきます。この孫崎エントリーは、日本の科学論文水準の世界比較(の低下)であり、対して以下は、日本の医者の世界を典型とした貧富の世襲を良しとするような、高等教育(予算)の世界比較になるのですが。

『「親ガチャ」王国、日本  文科系 2023年09月18日
 新たに発足した内閣でも、政治家の子どもが政治家という「親ガチャ、大当たり」が十分すぎるほどに見られるが、今ひとつ「医者の子は医者」とか、「貧富の世襲」から「教育の世襲」という親ガチャはそれ以上に誰もが身近に見るところ。世襲というのは、悪く言えば身分制度の残存にも等しく、要は近代民主主義的な社会保障・「機会の平等」が貧困な国ということだ。地番・看板を受け継いだ世襲政治家などは、まるで封建時代の領主ではないか。つまり、先進国としては「自由と民主主義」が弱すぎ、貧しすぎる国ということだろう。この貧困度を、「医者の子は医者」と「貧富の差からの教育の世襲」について、ちょっと勉強してみた。以下の種本は、中公新書ラクレの「日本絶望ランキング集」で、著者は元国税庁調査官、大村大次郎。日本の金の流れを最もよく知っている職業、人物と言える。

 まず日本の病院の大まかな世界比較だが、80%が民間病院で、人口当たりの病床数、病院数が世界一と多い割に、医師と医学生数が極端に少ないとあった。そして、そういう医師の30%が医師の子どもで、主に私大医学部に入っていく。私大医学部の学費は6年間で3,000万円以上もかかり、まず普通の家庭では入れない。私大医学部の受験に至るまでにまた大変金がかかっていて、貧富格差が激しい今の日本では「貧富の世襲」「教育の世襲」とつながっている問題にもなる。ちなみに、医師の少なさ、民間病院の多さは、日本医師会という強力な圧力団体によってもたらされたと書かれる。

 さて、次が「貧富の世襲」「教育の世襲」だ。OECD先進30か国の大学進学率は2015年調査で21位の48%で、30か国平均より約10%低い。また、義務教育の上の高等教育費の公的負担は、2018年版によると33か国中で32位。これらの結果として、金持ちの子しか大学に行けない国になっている。国立大学授業料でさえ、1975年年間36,000円から2005年535,800円まで上がった。私事で恐縮だが、僕の妻は母子家庭の五人兄弟姉妹の最長子。1965年にある旧帝大系国立大学を出たが、現在であったら大学には行けなかったと思う。家族を食わせる為にも働いていたからだ。

 さて、「貧富、教育の世襲」のある結末こそ、この書にある次の数字だと言いうる。教育の世襲を受けられなかった子が、以下の後者になる確率は極めて高くなっているはずだ。非正規社員がこの30年で急増しているのだから。
『男性の場合、正社員(30~34歳)の既婚率は約60%だが、非正規社員の既婚率は約20%である(「令和4年版、少子化社会対策白書」)
(以下略)』

No.5 13ヶ月前

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