p_f のコメント

PressTV 26 October 2023

ヒズボラ指導者ハッサン・ナスララの「戦略的沈黙」がシオニストを狼狽させる
https://www.presstv.ir/Detail/2023/10/26/713455/Hezbollah-leader-Nasrallah-strategic-silence-unnerves-Zionists

ジュリア・カセム記
デトロイト・リバーワイズ、アゲインスト・ザ・カレント、カウンターパンチ、ミントプレス・ニュース、トゥルースアウト等に寄稿しているフリーライター

耳をつんざくような空襲警報の音と、人口密度の高いガザ地区のパレスチナ人の家を猛攻する容赦ないロケット弾の連打の中で、ヒズボラ書記長、ハッサン・ナスララの沈黙ほど耳をつんざくものはない。

レバノンの抵抗運動が、イスラエル政権が「地上侵攻」という野心的な計画を進めた場合、戦争に参加すると警告して以来、イスラエル人も米国人も、無謀で危険な冒険の様々なシナリオと結末について、腰を据えて検討する必要に迫られている。

Axiosの報道によれば、ジョー・バイデン米大統領は、テルアビブでのベンヤミン・ネタニヤフ首相との会談で、ヒズボラが「戦争への参加を決定する」ことを「特に懸念」し、西アジア地域における「より広範な紛争の可能性を高める」と述べたという。

テルアビブとワシントンの権力回廊で戦争のレトリックが飛び交う中、誰もが疑問に思っているのは、戦争が拡大した場合、レバノンのヒズボラ抵抗運動はどう反応するだろうか、ということだ。

ここ数週間の西側とシオニストのメディアの見出しは、ヒズボラの重要性と、その動きが如何に敵であるシオニストの計算―地上攻勢に出た場合―にダメージを与えることができるかを指摘している。

「ナスララは何処だ?ヒズボラ指導者はガザ攻撃の中で沈黙しているではないか」とミドル・イースト・アイは問うた。「数千人がレバノン南部から逃げている間、ナスララは沈黙を保っている」とイスラエルのYネットニュースは書いた。「レバノンにおけるハッサン・ナスララの不吉な沈黙」とユダヤ・ニュース・シンジケートは書いた。

これらの見出しが明らかにしているのは、占領政権が混乱から抜け出そうと必死になっていること、そしてハッサン・ナスララの演説からその先にあるものを感じ取ろうとしていることである。

米国はテルアビブに対し、地上攻勢を手控え、遅らせるよう促しており、イスラエル政権はこれまで、主に自制と米国の援軍の必要性から、それに応じた。

パレスチナの抵抗勢力は、戦略、強さ、威力において既に優勢に立ち、地上攻勢がイスラエル政権にとって高く付くことを示した。大々的に宣伝されたメルカバ戦車は、カン・ユヌスとラファのガザ国境に入ることさえできなくなり、破壊された。

10月25日、ヒズボラの指導者は、10月7日以降のシオニストとの戦闘で殉教した41人の兵士を「アルクードの道での殉教者」と発表し、この先に待ち受けるもの、つまりシオニストの占領からのアルクードの完全解放を示唆した。

現在の戦いの最終的な結末がパレスチナの解放であることを示唆するこの発表は、より大きな確信と決意をもって、抵抗枢軸の目的の新たな段階を切り開いた。

演説はまだ行われていないが、ハッサン・ナスララの行動はどの演説よりも大きく響いている。国境を非聖域化し、レバノン国境から5キロ以内の40以上の居住地が避難し、20発の迫撃砲攻撃と70発以上のAGTM発射で全て目標を攻撃した。十数台のメルカバ戦車もだ。 これらの行動は言葉よりも雄弁だが、更に多くのことが起こるのはこれからだ。

ヒズボラの参戦を巡る言説は、「抵抗の枢軸」の全ての兵器が周到な連携と戦略によって使用されているという点を取りこぼしている。

10月18日、バイデンはヒズボラに対し、この戦争に参加しないよう警告したが、それは、現実に火種となっているイスラエル政権に対して、その存続に関わる脅威をヒズボラがもたらすことを恐れたからだ。イスラエルによる占領の存続に関わる この脅威は、バイデンに、テルアビブの同盟国にも、性急で軽率な動きをしないよう忠告させた。

ヒズボラはここ数週間、北からのシオニスト組織に対する限定的な戦闘に従事しているが、基本的には、蜘蛛の巣よりも弱い敵の注意をそらし、混乱させることを目的としており、これまでのところ、パレスチナの抵抗勢力に前線の全体的な状況を管理させている。

ヒズボラは、シオニスト政権を その北部の弱い組織網からの部隊への対応で空回りさせたが、事態のエスカレーションを引き起こすことなく混乱と注意散漫を増大させるのに十分だった。

シオニスト政権が欲しているように見えるのは、急速に時を刻む彼らの時計への反応であり、監視され、観察され、記録される彼らの計画への兆候であり、答えである。それがこの計画の第一歩となる。

戦略的忍耐という戦術は、米国のシンクタンク、ワシントン研究所が「バイデン政権にとっての不朽の課題」と表現したもので、イスラム教の根源概念(忍耐)から派生しているが、個人的な試練を乗り越える個人的な闘争と同様に、闘争における政治的戦略でもある。

このことを考慮すると、ワシントンに本拠を置く戦争タカ派は優れた計画立案者からは程遠い。 ここでは戦略と忍耐力を備えた係る抵抗勢力が鍵を握っている。 そしてこの戦いも この抵抗勢力の計画通りに終わることになる。

No.11 7ヶ月前

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