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■ミサイルを中心に

ヒズボラのミサイル兵器は、2006年(第2次レバノン戦争)以降、着実に増加している。メディアの報道によれば、高精度のインテリジェント・ミサイル・システム、ドローン、防空システムなど、現在約20万発のミサイルを保有しているという。

ロシアのコルネット対戦車ミサイルシステムは、2006年のレバノン南部での戦闘で使用され、イスラエルのメルカバ戦車を攻撃することができた。ネタニヤフ首相が2017年と2018年に国連で言及した高精度ミサイルについては、イランがイラクとの戦争(1980~1988年)で積極的に使用したゼルザル砲ロケット(射程160km)、ゼルザル2砲ロケット(射程210km)、そして地対地弾道ミサイル「ファテ110」である。後者は、バグダッドで殺害されたコッズ部隊司令官カセム・ソレイマニ将軍の暗殺を受け、イラン・イスラム革命防衛隊(IRGC)がイラクの米軍に対して開始した「殉教者ソレイマニ作戦」中に使用された。

イランがレバノンの仲間に無数の砲弾を渡したことも知られている。更に、ヒズボラは多くの重装甲車を保有している。例えば、T-55、T-72、T-80戦車などだ。また、様々なタイプの歩兵戦闘車両や装甲兵員輸送車、2S1カーネーション自走榴弾砲、シルカ対空自走兵器システムなども保有している。

ヒズボラはイスラエル領内に1日あたり3000発のロケット弾を撃ち込む能力があり、あらゆる距離の標的に到達することができる。また専門家によれば、2021年時点で このレバノンの公党は約2000台の無人航空機(UAV)を保有しているという。イランが戦闘用無人機の開発に大成功していることを考えれば、これが本当に真実であることに疑いの余地はない。

■結論

イスラエルの状況は、ヒズボラ戦闘員が移動、軍事装備の輸送、武器の保管に使用する地下トンネルの広範なネットワークの存在によって更に複雑になっている。イスラエル国防軍は、レバノン南部からイスラエル北部に伸びるトンネルを定期的に破壊しているが、イスラエル軍でさえ、秘密の地下通路の数は圧倒的であり、その全てを破壊することは不可能だと認識している。

イスラエル国防軍の第21代参謀総長ガディ・アイゼンコットは、これらのトンネルによってヒズボラは予期せぬ攻撃を行うことができるとしばしば指摘している。しかし、この組織はさらなる発展を続けている。ハッカーを養成し、情報技術への関心を高めている。5年前、私はヒズボラのメディア担当者ムハンマド・アフィフにインタビューすることができた。その時、彼が私に語った言葉である-

「我々は、諜報機関、特殊部隊、イデオロギー、そして勿論インターネットなど、ありとあらゆるレベルで敵と対峙している。我々は何事においても敵に遅れをとるつもりはない。ヒズボラはイスラエルの一挙手一投足を注視している。彼らが何か新しい技術を持てば、我々もそれを手に入れる。ヒズボラには電子戦とハッカーを専門とする部隊がある。私たちは広告、PR、ソーシャルネットワークに多くの注意を払っている。勿論、この分野では他の追随を許さないとは言えないが、前途有望な傾向だ。特に若い人たち―オンラインで仕事をしたいと思っていて、その方法を知っている層については。我々の部門としては、彼らにトレーニングや仕事に必要なものを全て提供している。レバノンの人たちだけでなく、海外からヒズボラを支持している若者も大勢いる」

以上のことを考慮すると、幾つかの重要な結論を導き出すことができる。イスラエルがヒズボラとの全面戦争に勝利しても、それはきっとピュロスの勝利(犠牲が多くて引き合わない勝利)に終わるだろう。ヒズボラもイスラエルとの直接衝突の結果、取り返しのつかない損害を被るだろう。しかし、両者の主義主張には根本的な違いがある。ヒズボラは、敵に致命傷を与えるという使命を果たすべく、戦って死ぬために作られた(存在する)組織だ。問題は、イスラエルが同じことをする用意があるかどうかだ。

No.8 11ヶ月前

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