Moon of Alabama、8月28日付の記事では、ハッキリ以下のように書いている。 「ウクライナ人は単に間違った大義のために間違った戦争を戦っているだけだ。」 そして、その根拠の一つを示すかのように、以下のツイートを引用していた。 https://twitter.com/I_Katchanovski/status/1695810841373749578 「ウクライナ軍最高司令官とウクライナの人気作家が赤と黒の旗を持ってポーズをとり、ウクライナの人気新聞がこれを宣伝している。これは、ナチス・ドイツに協力し、ユダヤ人、ポーランド人、ウクライナ人の大量殺戮に関与した極右組織OUNとUPAの旗である。この旗は極右の右派セクターが使用していた。OUNとUPAのシンボル、たとえば彼らの旗や「ウクライナに栄光を、英雄に栄光を」の挨拶などの主流化と白書化は続いている。」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E6%B0%91%E6%97%8F%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E8%80%85%E7%B5%84%E7%B9%94 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E8%9C%82%E8%B5%B7%E8%BB%8D 個人的には、「戦争の大義」なるものを論じる危険性を戒めないといけないと考えている。「戦争の大義」より、停戦和平こそが大事だ。 だが、それでも、敢えて言うなら、ウクライナに大義は無いと考えている。Moon of Alabamaの筆者は、先に引用したツイートにおける写真を引きながら次のように結んだ。 「その旗とその背後にある考え方が、ロシアがウクライナと米国の勝利を許さない理由である。」 同感である。 サルコジに限らず、西側政治家やアメリカ帝国の政治家にも、ウクライナでの代理戦争に批判的で反対する姿勢を見せている人は沢山いる。その意味では、世界的に、この戦争に関しては意見は二分されている、といっても過言ではないと考えている。 毎日によく、ビル・エモットという、英国エコノミスト誌の編集長なる人物が論評を書いている。先日、この人はこんなことを書いていた。 「実際、世界を善悪に二分するより、米大統領が時々示すように、「世界基準の概念を理解している人」とそうでない人とに分けた方がいいのかもしれない。」 相対立する二つの考え方の極みがこれではないか? ビル・エモットが言う「世界基準」とは、アメリカ帝国大統領が時々示す、アメリカ帝国の「大義」と言い換えてもよいものと考える。 https://mainichi.jp/articles/20230827/ddm/002/070/119000c 問題はその「世界基準」が公正公平なものか、である。アメリカ帝国の「大義」に対して、世界中の多くのヒトビトが疑いの目を向けている。 このビル・エモットという人の見解を評価するなら、典型的な上から目線の「説教西洋人」である。 こんなこともいっている。 「罪の概念を認識しない(認識してもあからさまなウソをつく)国よりも、時々罪を犯す国を信頼したほうがいい。」 ここで、「罪の概念を認識しない(認識してもあからさまなウソをつく)国」は中露のことである。「時々罪を犯す国」は英米だ、というわけだろう。 「罪」とは、戦争のことを指すなら、バカバカしくて話にならない見解である。よくこんなご都合主義見解を恥ずかしげもなく言えるものだ。 結局、この人は西側の価値観こそが「世界標準」であり、アメリカ帝国の大義に世界は従うべきだ、と言いたいのである。 呆れてモノが言えない。 だが、情けないのは、未だに毎日みたいなリベラル系高級紙的な位置づけの新聞が、ビル・エモットみたいなヤカラのお説をありがたがって、傾聴しているテイ。 戦争屋とかDSのハナシをそのまま、新聞記事に載せる日本人の見識のなさが、心底情けない。
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孫崎享チャンネル
(ID:119568177)
Moon of Alabama、8月28日付の記事では、ハッキリ以下のように書いている。
「ウクライナ人は単に間違った大義のために間違った戦争を戦っているだけだ。」
そして、その根拠の一つを示すかのように、以下のツイートを引用していた。
https://twitter.com/I_Katchanovski/status/1695810841373749578
「ウクライナ軍最高司令官とウクライナの人気作家が赤と黒の旗を持ってポーズをとり、ウクライナの人気新聞がこれを宣伝している。これは、ナチス・ドイツに協力し、ユダヤ人、ポーランド人、ウクライナ人の大量殺戮に関与した極右組織OUNとUPAの旗である。この旗は極右の右派セクターが使用していた。OUNとUPAのシンボル、たとえば彼らの旗や「ウクライナに栄光を、英雄に栄光を」の挨拶などの主流化と白書化は続いている。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E6%B0%91%E6%97%8F%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E8%80%85%E7%B5%84%E7%B9%94
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E8%9C%82%E8%B5%B7%E8%BB%8D
個人的には、「戦争の大義」なるものを論じる危険性を戒めないといけないと考えている。「戦争の大義」より、停戦和平こそが大事だ。
だが、それでも、敢えて言うなら、ウクライナに大義は無いと考えている。Moon of Alabamaの筆者は、先に引用したツイートにおける写真を引きながら次のように結んだ。
「その旗とその背後にある考え方が、ロシアがウクライナと米国の勝利を許さない理由である。」
同感である。
サルコジに限らず、西側政治家やアメリカ帝国の政治家にも、ウクライナでの代理戦争に批判的で反対する姿勢を見せている人は沢山いる。その意味では、世界的に、この戦争に関しては意見は二分されている、といっても過言ではないと考えている。
毎日によく、ビル・エモットという、英国エコノミスト誌の編集長なる人物が論評を書いている。先日、この人はこんなことを書いていた。
「実際、世界を善悪に二分するより、米大統領が時々示すように、「世界基準の概念を理解している人」とそうでない人とに分けた方がいいのかもしれない。」
相対立する二つの考え方の極みがこれではないか?
ビル・エモットが言う「世界基準」とは、アメリカ帝国大統領が時々示す、アメリカ帝国の「大義」と言い換えてもよいものと考える。
https://mainichi.jp/articles/20230827/ddm/002/070/119000c
問題はその「世界基準」が公正公平なものか、である。アメリカ帝国の「大義」に対して、世界中の多くのヒトビトが疑いの目を向けている。
このビル・エモットという人の見解を評価するなら、典型的な上から目線の「説教西洋人」である。
こんなこともいっている。
「罪の概念を認識しない(認識してもあからさまなウソをつく)国よりも、時々罪を犯す国を信頼したほうがいい。」
ここで、「罪の概念を認識しない(認識してもあからさまなウソをつく)国」は中露のことである。「時々罪を犯す国」は英米だ、というわけだろう。
「罪」とは、戦争のことを指すなら、バカバカしくて話にならない見解である。よくこんなご都合主義見解を恥ずかしげもなく言えるものだ。
結局、この人は西側の価値観こそが「世界標準」であり、アメリカ帝国の大義に世界は従うべきだ、と言いたいのである。
呆れてモノが言えない。
だが、情けないのは、未だに毎日みたいなリベラル系高級紙的な位置づけの新聞が、ビル・エモットみたいなヤカラのお説をありがたがって、傾聴しているテイ。
戦争屋とかDSのハナシをそのまま、新聞記事に載せる日本人の見識のなさが、心底情けない。