中庸左派 のコメント

>如何なる理由であれ、核保有国を糾弾し、制裁を増大させるだけでは核使用の危険性を増す。この論点を核廃絶者は何故主張しないのか。

 現実的かつ論理的に考えるなら、軍事力は「国力」そのもの。その意味では、一旦総力戦争になれば、軍事力に勝る国或いは核保有国が勝つだろう。

 それを強者の論理の押し付け、核大国の横暴と言っても仕方ない。現実的に軍事力に勝る国が突きつける要求には従うしか無い。

 小国が軍事的核抑止力を求めるなら、核武装をするしかなく、それこそ、世界中核兵器を保有しなければならなくなる。

 そんなことは非現実的だし、そのほうがよほど世界は危険な状況に陥ると考えている。

 また、現実的に、では核保有国が常に横暴で小国が虐められているか、というとそうでもない。それは多国間の牽制やチョックアンドバランス、外交による秩序が保たれている。

 国際政治の課題は、アメリカ帝国の覇権主義的横暴を如何に抑え、多極世界による秩序に転換させるか、ということだと考えている。その意味で、核の脅しによる弱肉強食の世界は神話に過ぎず、核大国であれば、常に絶対的優位というわけではないだろう。

 だから、私は日本の核武装は実質的に無意味だと考えている。

 その上で、ロシアの特別軍事作戦は、ロシアの死活的利益のために遂行されているし、だからこそ、敗北を許されない戦いだ。

 総力戦であれば、軍事力に勝る核大国ロシアが勝つことが道理。

 ウクライナには、ロシアによる特別軍事作戦を招かない外交的知恵が問われていた。

 それはともかく、ウクライナの反攻は失敗におわるだろう。

 Moon Of Alabamaは6月12日にこう書いた。

「「西側」の国民が「ウクライナが勝っている」というプロパガンダを鵜呑みにすることから現実を認識するようになるまでには、まだ時間がかかるだろう。残念ながら、ウクライナとロシアの損失はさらに増えるだろう。

しかし私は、希望的すぎるかもしれないが、戦争の終わりが見えてきたと強く信じている。」

 Moon Of Alabamaによると現在のウクライナの反攻を担うのは「第3軍」だという。

 正規軍が「第1軍」。これは2022年の春から夏にかけて、ロシア軍により壊滅させられた。次の「第2軍」、これは東欧諸国からのソ連時代の遺産とウクライナの徴兵制で置き換えられたが、今年の初めには、その第二軍も壊滅した。

 そして、小規模な「第3軍」のための資源は、「西側」の装備品とのこと。その第3軍も壊滅するのが時間の問題。

 そんな状況にあるから、チラホラ交渉課題の予想が始まっている。

https://sonar21.com/what-could-russia-demand-to-negotiate-an-end-to-the-war-in-ukraine/

「ウクライナ戦争終結交渉でロシアは何を要求できるのか?」として、「まず第一に、ロシアはドニエプル川以東の全領土に対する権利の確保と、オデッサの特別な地位の確保を主張するだろうか?そう思います。オデッサはもはやウクライナに支配されないことになる。また、私はロシアが、2014年に労働組合会館に避難したロシア語を話すウクライナ人42人を殺害した責任者の逮捕と訴追を(交渉の余地なく)要求すると予想している。」

「また、ロシアがポーランドとルーマニアにあるNATOイージスミサイルシステムの廃棄や、ウクライナと国境を接する国々への米軍やNATO軍の駐留禁止を要求すると予想している。ロシアが宣言した非ナチス化の目標を考慮すると、ロシアがウクライナの法律を変更し、ナチス関連の政党やシンボルの禁止を要求したとしても私は驚かない。」

 西側の主流権威筋メディアはウクライナ反攻の成功を大宣伝しているが、核大国の総力戦に「敗北」ということがあり得ないことに考えが及ばないのは不思議でならない。

No.3 18ヶ月前

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