中庸左派 のコメント

 砂川事件裁判が問いかけることは、勿論日米安保の是非であるし、その前提としての自衛隊の是非である。

 しかし、数十年の時を経て、日米関係の歪さ、対米従属の問題が加えて突きつけられた。

 事前に最高裁判所がアメリカ帝国に忖度して、示し合わせて 日米安保体制に関する憲法判断を回避した。

 結果的にどちらを向いているのか、といえばアメリカ帝国の方向にしか向いていなかった。

 統治行為論の根拠の一つは、国民の意思の尊重である。

 それは、アメリカ帝国の忖度と矛盾しないのか?日本国民の意思=アメリカ帝国の尊重か?

 いくらなんでも、そりゃないよ!?である。

 私は自衛隊は違憲だと考えているし、その論理的必然として日米安保違憲、反対だ。但し、自衛隊は政治的存在として尊重するし、自衛官に敬意もある。

 とはいえ、私は自衛隊も日米安保も違憲という立場だ。

 自衛隊を違憲だと考えている国民は、最近はそれほど多くはないかもしれない。

https://www.asahi.com/sp/articles/DA3S15293175.html

 まぁ、国民として、自衛隊にはお世話になっている。家族に自衛官がいたりする。だから、自衛隊違憲!と直接的には言いにくい。そんなカンジはわかる。

 では、角度を変えて、具体的に考えてみよう。
 
 例えば、台湾有事。

 台湾有事に巻き込まれる不安は、仮にB層であったとしても、国民の間には強いようだ。
 https://www.asahi.com/sp/articles/ASR4X6VQ2R4CUZPS002.html

 内閣府の世論調査によると、「この日米安全保障条約は日本の平和と安全に役立っていると思うか聞いたところ,「役立っている」とする者の割合が82.9%」らしい。

https://survey.gov-online.go.jp/h26/h26-bouei/2-6.html

 台湾有事により戦争に巻き込まれる可能性は日米安保体制とか、2015年の戦争法制が要因になること以外あり得ない。

 だから、台湾有事に不安をかかえながら、日米安保賛成など、私に言わせれば、論理矛盾も甚だしい。

 しかし、B層には論理は通用しない。

 だから、仕方ない。

 統治行為論がよって立つ、国民の意思の尊重というのは、国民が良識やリテラシーに優れた資質を有していて初めて、意義がある。

 昔、天皇、今アメリカ帝国。日本人の宿痾、忖度と横並び意識。このレベルの事大主義的国民性。思考力の欠如したB層が多数派を握る我が日本において、国民の意思の尊重は画餅でしかない。

 だから、結果的に国民の意思の尊重はアメリカ帝国の尊重と実質的意味は同じとなる。

 そのことのおかしさに全く気づかない日本の言論状況を情けなく眺めることしか、私は出来ない。

 一縷の望みは、中露グローバルサウスによる多極世界の具現化と、アメリカ帝国の自滅である。

 日本人には、私はなにも期待しない。残念ではあるが。

No.11 17ヶ月前

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