中庸左派 のコメント

 ロシアによる特別軍事作戦により、困るのは誰か?順位付けしてみる。
 
 第一位、最大の犠牲者はウクライナ国民だ。今回の英紙ガーディアンの記事が証拠である。戦争の悲劇は庶民生活を直撃するのは当然だから。

 第二位、アメリカ帝国や西欧等。資源不足や供給網の目詰まりによるインフレ、生活水準悪化。

 特にアメリカ帝国については、ウクライナ支援において、政権中枢に内部対立がたかまっていることが示唆されている。

 Indian Punchline 2023年5月2日の投稿。テーマは「ウクライナの反攻はどこへ向かうのか?」

https://www.indianpunchline.com/whither-ukraines-counteroffensive/

 この中で、筆者は「この1年間、バイデン政権のネオコンが作り上げた嘘と難読の物語がすべて崩れたことは明らかである。バランスシートを見れば、過去1年間のウクライナへの巨額の援助、つまり1000億ドルを超える援助を正当化するものは何もないことがわかる。この額は、アメリカが20年間のアフガニスタン戦争に費やした額よりもはるかに多い。」として、ウクライナ支援がいかに失敗であるか、指摘している。

 さらに、興味深い引用がある。有名な元 CIA アナリスト、ラリー・ジョンソンという人が書いた記事。

https://sonar21.com/a-controlled-leak-and-a-21-year-old-scape-goat/

「実際、米国の安全保障および防衛体制内で反対意見の重要な流れがあるようであり、バイデン大統領が悲惨な結果をもたらす運命にある悲惨な政策軌道に米国を導いたと推定している。ウクライナでの屈辱的な敗北. NATO 同盟に損害を与え、大西洋横断システムを弱体化させ、世界大国としての米国の信頼性を損なう可能性があります。 」とのこと。

「ジョンソンはさらに、「今回のリークの可能性をひとつ提案しよう--ジョー・バイデンを退任に追い込むための下地を作ることだ」と述べた。機密文書で明らかになったことは、ロシアを欺くために作られた捏造ではありません。また、ウクライナというブラックホールに多くの資源を投入するために、米国の支持を集めるための資料でもない。これらのリークは、バイデンのチームは無能であり、海外でのアメリカの利益を危険にさらしているというミームを助長するものだ。」

「今日、このようなことが起きているのは、バイデン大統領が2024年の選挙で2期目を目指すという背景がある。」

 要するに、先日のアメリカ帝国国防総省の機密文書漏洩は、ウクライナ支援を巡るアメリカ帝国内の内紛であり、ウクライナ支援反対派によるバイデン降ろしの動きである、と。

 第三位はロシア。逆にいうと、ロシアは戦争を継続する決意があり、その余力、能力を維持している。しかも、戦争をコントロールしている上に、ドンバス等、平定した地域からの撤退は選択肢としてあり得ない。BRICsやグローバルサウスも実質的にはロシアの味方。ウクライナが譲歩しなければ停戦和平に向かう理由はない。

「週末、ドミトリー・メドベージェフ前大統領はテレグラム・チャンネルで、ロシアはウクライナの人員と軍備の「大量破壊」を求め、ウクライナ軍に「最大の軍事的敗北」を与え、「敵の完全敗北と旧ウクライナ全領土の完全非武装化を伴うキエフのナチ政権最終打倒」を目指し、ゼレンスキー政権の主要人物への報復を「場所を問わず、無制限に」推進すべきと書いた。」

 ウクライナの「反攻」に関して、Moon of Alabama5月2日は「戦争中、キエフはまず常備軍の資材と人員を使い果たした。その後、旧ワルシャワ条約機構加盟国から大量のソ連時代の装備を受け取り、その隠し財産を使い果たした。現在、キエフは、軍事経験の乏しい動員された民間人からなる「第三軍」のための「西側」武器を受け取っている。反攻が一巡した後、結果がどうであれ、第三の軍隊はほとんど破壊されることになる。「第四軍」のための資材や人員はもうないだろう。」と書いた。

 私としては、当初からの私自身の見立てどおり、直ちにウクライナはバカな戦争を止め、降参した上で、ドンバス地域を露系ウクライナ人に明け渡すべきだ、考えている。ウクライナ人が愚かでないなら、それが本心だろうと私は推測しているから。

No.7 20ヶ月前

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