中庸左派 のコメント

>>1

>ロシアの戦況有利を信じて疑わない人たちにとっては驚愕的な記事なのでしょう。
>今回の記事内容はかなり精度が高く、戦場での現状認識を加えると「プーチン」の退路は限られてきたということなのでしょう。

 文章の趣旨を読み違えてます。元文を読んでいないようです。まずは一読を。

https://www.pressenza.com/2022/03/there-is-only-one-winner-in-the-ukrainian-war-the-us/

 元文は最後にこう、結んでいます。

 「戦争が嫌なら、戦争をするのをやめればいい。ヨーロッパの指導者たちは、雪崩を止めることはできないが、人々の要求に耳を傾けることはできるだろう。この戦争を煽るのではなく、今すぐ対話を再開する必要がある。

しかし、どのような視点、解釈、分析をしようとも、この戦争は直ちに止めなければならない。戦争は前史に属するものです。平和を築きましょう!」

 このように、欧州の視点から、NATOの軍事政策を批判し、アメリカをダシにして、各国の政策全般をなじっている趣旨、というのが正しい理解でしょう。

 要するに、すぐに停戦せよ、です。

 それは次の文章からも読み取れます。

「この危機で最も高い代償を払うのはヨーロッパである。物価が上がり、多くの企業が閉鎖を余儀なくされるだけでなく、あらゆる製品の価格が上がり、世界市場で競争力を失うことになる。そうなれば、輸出も滞る。このような状況の中で、欧州の政府は、一種の切腹のような形で、ワシントンの命令を受け入れ、自国の利益を犠牲にする。本来なら、現地のすべての関係者と話し合い、すべての人にとって平和的で合理的な解決策を見出すべきなのに、不可解なことに、自国の利益を犠牲にする。」

 これが、アメリカを称えるための文章ですか?精度が高い?我田引水が過ぎます。

 私は、これまで述べてきたとおり、戦況はロシア有利、というよりロシアは敗北できない、という認識ですが、それでもサスガに「ウクライナ戦争の勝者はアメリカだけ」という認識は「精度」に欠けると考えます。書き手は、別の意図を持って書いたのでしょう。

 欧州のウクライナ政策批判が主眼なら、納得です。

 因みに、ドイツ左翼党は「エスカレーションを止めろ!ウクライナとの戦争を止めろ!戦車の代わりに交渉!」として、欧米の武器支援を批判しています。

 もっとも、「左翼党 は、ウクライナに対するプーチンの侵略戦争を非難します。この攻撃は明らかに国際法に違反しており、この地域の人々に計り知れない苦痛をもたらしています。私たちの連帯は、命が脅かされているウクライナの人々に向けられています。」と主張していますから、単純な親露政党というわけでもなさそうです。一応、ロシア非難にも目配りするのは、欧州の空気感の反映であり、バランス感覚でしょう。

 私に言わせれば、「ウクライナ戦争の勝者はアメリカだけ」などというトンデモ論を真に受ける人は、バランス感覚が欠けているのだろうな、と思っています。

No.4 18ヶ月前

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