中ロ共同声明の全文はまだ読んでないが、報道によれば、 ①両国の緊密な関係を誇示した ②ウクライナ情勢をめぐって具体的な解決策は示されなかった。 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230322/k10014015581000.html これらは、中共の従前からの姿勢とかわりはない。 また、 ③NATOについては、日韓を中心にアジア太平洋地域で安全保障面の連携を深めていることに懸念を示し、「閉鎖的で排他的なグループをつくることに反対する」とした。 https://www.tokyo-np.co.jp/article/239525?rct=world が、NATO東方拡大を批難するととれる表現はなさそうであり、 「共同」声明なのだから、この点は、ロシアが中共に折れたのだろうとおもう。 一方、中ロ会談にさきだって話題になったプーチン容疑者の逮捕の点についても、中共の外務省は報道官会見で、 ICCは「客観的かつ公平な立場を維持」し、「国際法上の国家元首の免責特権を尊重すべきだ」と指摘。さらに「政治化や二重基準を避ける」ようICCに求め https://news.yahoo.co.jp/articles/a70b14e01de8e714ede2150b94cc9c6acbe0f0aa たとあるが、プーチンに戦争犯罪容疑はないということは言っていない。 こうしたことから、わたしが感じるのは、次のようなことだ。 1,中共は、中ロ関係において、自国の立場を押しだし、ロシアの主張を抑圧しているのであろう。記事中に「習主席は自分がボスだと感じているように見えた」とあるとおりだ。一方、ロシアは露宇戦争により、衰退のペースがはやまり、プーチンが失権して日本との関係を改善しない限り、もはやシベリアを中共の侵略から守るすべもないだろう。 2,中共がこういう態度(つまり、いまの中共にできる限りでの中立公正を意識した態度)でふるまう限りは、中共主導のウクライナ和平には、まだのぞみがあるので、この点ではぜひ習近平にはがんばってほしい。その過程でいくつかの原則が議論されるだろうが、それは台湾問題にもいい影響を与えるだろう。 3,中共がほんとうの平和的大国をめざすなら、ここのヒトビトの言っているような、世界の中ロ支配を中ロでめざすのではなく、ロシアをおさえられる裁定者をめざすべきであり、中共にとっても露宇戦争は正念場である。
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孫崎享チャンネル
(ID:13458971)
中ロ共同声明の全文はまだ読んでないが、報道によれば、
①両国の緊密な関係を誇示した
②ウクライナ情勢をめぐって具体的な解決策は示されなかった。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230322/k10014015581000.html
これらは、中共の従前からの姿勢とかわりはない。
また、
③NATOについては、日韓を中心にアジア太平洋地域で安全保障面の連携を深めていることに懸念を示し、「閉鎖的で排他的なグループをつくることに反対する」とした。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/239525?rct=world
が、NATO東方拡大を批難するととれる表現はなさそうであり、
「共同」声明なのだから、この点は、ロシアが中共に折れたのだろうとおもう。
一方、中ロ会談にさきだって話題になったプーチン容疑者の逮捕の点についても、中共の外務省は報道官会見で、
ICCは「客観的かつ公平な立場を維持」し、「国際法上の国家元首の免責特権を尊重すべきだ」と指摘。さらに「政治化や二重基準を避ける」ようICCに求め
https://news.yahoo.co.jp/articles/a70b14e01de8e714ede2150b94cc9c6acbe0f0aa
たとあるが、プーチンに戦争犯罪容疑はないということは言っていない。
こうしたことから、わたしが感じるのは、次のようなことだ。
1,中共は、中ロ関係において、自国の立場を押しだし、ロシアの主張を抑圧しているのであろう。記事中に「習主席は自分がボスだと感じているように見えた」とあるとおりだ。一方、ロシアは露宇戦争により、衰退のペースがはやまり、プーチンが失権して日本との関係を改善しない限り、もはやシベリアを中共の侵略から守るすべもないだろう。
2,中共がこういう態度(つまり、いまの中共にできる限りでの中立公正を意識した態度)でふるまう限りは、中共主導のウクライナ和平には、まだのぞみがあるので、この点ではぜひ習近平にはがんばってほしい。その過程でいくつかの原則が議論されるだろうが、それは台湾問題にもいい影響を与えるだろう。
3,中共がほんとうの平和的大国をめざすなら、ここのヒトビトの言っているような、世界の中ロ支配を中ロでめざすのではなく、ロシアをおさえられる裁定者をめざすべきであり、中共にとっても露宇戦争は正念場である。