中庸左派 のコメント

>欺瞞の塊の「新しい資本主義」、日米経済の統合からの決別が今こそ切実に問われてきているのではないだろうか。

 そもそも資本主義について、斎藤幸平氏はこう言い切っている。「資本主義以外のあり方をゼロから考えなければいけません。資本主義のストーリーというのは、経済成長が進み、技術革新も進み、私たちみんなが豊かで便利になるというものです。しかし、そんなストーリーはもはや若い人々にはまったく響いていない。世界のトレンドは、「社会主義」や「脱成長」なんです。」

https://book.asahi.com/article/14830931

 私自身は新左翼からサヨク活動を始めたわけだが、実は自分を社会民主主義の系譜だと自己規定している。即ち、修正資本主義者又は日和見主義者である。

 斎藤氏のようにゴリッと、「トレンドは社会主義」とまでは確信をもって、言い切れないでいる。

 しかし、マルクスや社会主義の物差しで資本主義を図り、測定してみることは大事だと確信している。

 その意味では、斎藤氏のように、「脱成長」を掲げるくらいでないと、「新しい資本主義」にはならないだろう。何故なら、今や「成長」を株価により粉飾する虚像が経済を覆っているのだから。

 非正規労働者の雇用不安や雇用格差を無視して、株価が上がれば好景気だ、というのは虚像もよいところだ。

 とき恰も、SVBが破綻し、いよいよアメリカ帝国の金融崩壊の序章では?という見方がある。今後、破綻の連鎖になれば、ドル覇権には致命的一撃となるだろう。

 さて、我が日本はアメリカ帝国の自滅、ドル覇権の自滅に巻き込まれて大惨事になるかどうかの分水嶺ではないか?

 アメリカ帝国の金融引き締めがSVB破綻の引き金を引いたのは間違いない。
 日本のほうは借金まみれのため、利上げは日本国債の暴落や信認低下、財政破綻に繋がりかねない。金融政策に幅はない。その意味では、金融緩和政策は続けざるを得ないだろう。
 実際、植田日銀新総裁は金融緩和を継続するとのことだ。
 
 そもそも金融政策に幅が無いとはいえ、結果的に金融引き締め路線を続けることによるアメリカ帝国の自滅とは距離を置き、独自路線をとっているようにも見える。

 何れにせよ、「欺瞞の塊の「新しい資本主義」、日米経済の統合からの決別が今こそ切実に問われてきているのではないだろうか。」これは全くそのとおりだと考えている。

No.3 20ヶ月前

このコメントは以下の記事についています

継続入会すると1ヶ月分が無料です。 条件を読む

孫崎享チャンネル

孫崎享チャンネル

月額
¥110  (税込)
このチャンネルの詳細