りゃん のコメント

国連での各国の投票行動についての篠田英朗の分析。
https://gendai.media/articles/-/106783

この文中で、「グローバル・サウスは幻」と言っていることに注目すべきだと感じる。
篠田はほかで、「グローバル・サウスという概念は、外交官が文脈に応じて使うのは知っているが、学者としての私は使わない。そんなもの存在していないから」
「たとえばインドネシアをはじめとするASEANの老舗諸国は、国連総会決議でロシア侵略認定非難に一貫して賛成票を入れている。アフリカでも半分は賛成票を入れている。一枚岩のグローバル・サウスなんて、どこにも存在していない。」
とも明言している。
最近「グローバル・サウス」ということばが多用されているのに違和感をもっていたが、この篠田の文を読んで納得できた。
今回記事中でも、
「インドの元駐ロシア大使ベンカテシュ・ヴァルマは先週、こう述べた。「我々はウクライナ問題の西側諸国の位置づけにを受け入れてはいません。実際、グローバル・サウスではそれを支持する人はほとんどいません」」
とあるが、ベンカテシュ・ヴァルマが、あるいはインドが、あるいはPeter Frankopanがどういう意図でグローバル・サウスを使っているのか(今後使おうとするのか)には留意すべきと感じる。
一言で言えばそれは、「一枚岩のグローバル・サウスが存在して欲しい」、そしてインドの立場で言えば「自分がその盟主である」という意識なのであろう。

No.10 20ヶ月前

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