中庸左派 のコメント

>米国が意図して挑発しているのか、稚拙さなのかは不明。

 私は外交上の慣例とか作法、暗黙のルールは全く知る由もないのだが、「ただの」気球を戦闘機で撃墜せずにいられないアメリカ帝国のヒステリーは幼児の癇癪と被るように思えてしまう。その延長線上に中国を激怒させる非礼を浴びせたのだろうか?

>現状では米国の軍事支援は共和党の反対で支援法案が通りにくくなる→支援減→ウクライナ敗北の流れの可能性が高くなってきた。

 この流れを認識するが故に、アメリカ帝国等西側が右往左往の「不安定」さを増しつつ、同時に戦争の出口の模索も迫られているのではないだろうか?

 MoAにリンクが貼られていた「西側はウクライナ戦争をエスカレートさせていますか?1年経っても終焉の気配なし」(https://unherd.com/2023/02/is-the-west-escalating-the-ukraine-war/ )
という文章を主に引用しながら、今の状況を私なりに整理すると、次のようなカンジだろうか?

 まず、①今回の当事者中国の立場。「王氏はミュンヘンでの会議をプラットフォームとして利用し、ヨーロッパの指導者や外交官に、中国は彼らとの関係を強化し、ウクライナでの戦争を終わらせる役割を果たそうとする用意があることを伝えてきた。(MoAによるNYTの記事引用「Blinken Has Tense Meeting With Chinese Official Amid Spy Balloon Furor」)

「中国はまだ戦争でロシアを支持していません。しかし、もしロシアが戦争に負けたと思われるなら、中国は介入しなければならないだろう. そうでなければ、アメリカが次に抹殺しようとする国になるだろう。」(Moon Of Alabama 2023.2.20)

②ロシアの立場。「ドンバスからロシア軍を追い出すことに成功した場合、それはそうなる(第三次世界大戦のシナリオ)でしょう。モスクワが黒海の戦略的拠点を保護することを実存的な義務と見なしていることを考えると、核イベントの可能性が劇的に高まります。」

③ウクライナの状況。「NATO を戦争に巻き込まれるように仕向けることは、キエフの利益になるからである。」「NATO が共に戦わなければ、ウクライナはロシアを打ち負かすことができないことを知っていた。今の問題は、西側がその戦争に巻き込まれ、世界全体の運命を危険にさらすことを許すべきかどうかです」

④アメリカ帝国等西側の心理。「ほとんどの現実主義者が提供する物質主義的な安全保障の枠組みでは、2 つの異なるナショナリズム国家が関与する本質的に東ヨーロッパでの地域戦争に引きずり込まれることに、アメリカと西ヨーロッパにとってほとんどメリットがなく、確かに真の国家的または戦略的利益はありません。しかし、存在論的な観点からは、米国の単極性を強く「同一視」する英米の外交政策の確立は、現状を維持し、ヨーロッパで中心となるであろう新しい集団安全保障アーキテクチャの形成を防ぐために多額の投資を行ってきました。」「NATO 内の同盟間の言説を詳しく調べると、政治的およびイデオロギー的信号の下に潜んでいる活動家の心理も明らかになります。イデオロギー、つまりリベラルな人道主義と民主主義が同盟の維持に重要な役割を果たしていることを考えると、その意思決定プロセスはアクションバイアスの誤謬に陥りがちです。つまり、何かをすることは何もしないよりは常に良いという考えです。活動家の「ケアの倫理」を公言する同盟仲間の間のこの種の互恵的で相互に補強し合う精神は、ためらいと自制を非人道的であると非難しながら、反射的に責任を行動を起こすことと解釈します。」

 とはいえ、「米国には、戦争からの出口戦略が必要です。エコノミスト、WaPo 、およびNYT の意見が暗示しているように、唯一の選択肢は全面戦争と核による消滅であると認識することは、それを推進するための第一歩です。」
(Moon Of Alabama 2023.2.20)

No.10 20ヶ月前

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