中庸左派 のコメント

 Netflixで「三島由紀夫vs東大全共闘」を見た。

 鈴木邦男さんは、60年代後半から70年代初頭の全共闘運動の記憶をおそらく引きずっていただろうから。

 右翼とか左翼とか、2023年の今、明確な定義があるのか、ないのか分からない概念になったと考えている。

 敵は誰なのか、何が大事か?そんな問いかけを自らに課すことが出来れば良い。答えは自分が出せば良い。

 私は「三国人」だとか、人種主義的な言い方がキライだ。勿論、ヘイトスピーチも。

 私にとっては日本人であるかどうかもどうでも良い記号に過ぎない。たまたま日本に生まれて、日本の伝統や文化を「空気」のように吸っている。世界中、「空気」に違いも価値もない。

 だから、ウヨクにはならない。

 しかし、鈴木邦男さんのような「右翼」なら、近いものを感じないこともない。そして、三島由紀夫にも。 
 反米愛国には、私は実は惹かれないこともない。マルクス主義的な国家の廃絶については、ホンマかいな?と内心考えていたから。

 いずれにせよ、石原慎太郎のようなクズウヨクとは、鈴木邦男と三島由紀夫は違うのだ。

 私は天皇制に反対だ。天皇家に反対するのではない。憲法に規定されたシステムとしての天皇制に反対なのだ。理由は天皇ヒロヒトが戦争責任を取らなかった、その問題に尽きる。また、ヒロヒト死去の際の異様なXデー状況に、当時強烈な違和感があった。天皇制はウソの体系だと考えている。そんなウソはなくてもいい。

 しかし、象徴天皇制を定めた憲法については、戦争放棄の九条を守るという一点で護持すべきだと考えている。戦争さえしなければ、象徴天皇制は憲法上は仕方ない。

 「三島由紀夫vs東大全共闘」の中で、芥正彦氏は左翼と右翼の共通の的を問われて「あやふやな猥褻な日本国」と答えていた。その芥氏の回答の前に、東大全共闘との対話の中で、三島由紀夫は他者との関係性に関して、猥褻を比喩に使いながら、「猥褻」とは「緊縛された女性」と答えていた。

 「あやふやな猥褻な日本国」が、真の敵かどうかは、私には分からない。
 
 日本として、絶対的に戦争をしない、戦争に巻き込まれない、そのことが優先順位の一番なら、反米かどうかも、たいした問題ではない。問題は親米と平和国家日本が両立するかどうかだ。

No.7 21ヶ月前

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