中庸左派 のコメント

>連合の芳野会長は会談で、「労使が力を合わせ、日本の未来をつくりかえるターニングポイントとすべきだ」と主張した。

 ターニングポイントになるわけない。ターニングポイントを越えて、長期低落しているのが日本の労組の現実。

 労組の組織率は10数%。増え続ける非正規労働者の組織化は全く進まない。

 組織されている労働者はほとんど大企業か社員の数が多い準大手企業の労働者、そうでなければ官公労だろう。

 このあたりの「体力」のある大組織なら、比較的賃上げ気運は高い。

 しかし、体力のない圧倒的多数の中小企業労働者に賃上げの波がくるかは不透明。

 私は長く労組に関わってきたが、「終身雇用」幻想が長年、日本的雇用慣行のキモと思われてきた。非正規が増え続ける今、それが幻想でしかない、とは言えよう。

 しかし、賃金か雇用かの二択なら、私は労組活動家として間違いなく雇用を選択してきた。私の感覚ではあるが、労組全体の感覚として乖離はない気もする。

 それだけに春闘は形骸化して久しい。日本の物価が長期安定していたのも、賃金が上がらないから当たり前の現象だった。

 何れにせよ、中小企業等に賃上げの波が広がるかどうか、それはこの物価高を社会的に解決する上での課題だが、それは少なくとも労働者サイドだけでは解決不可能。

 労働者にはそんな力はない。それが現実。行政、経営者側の政策的補完は欠かせないだろう。


>SNSなどでは、《はいはい、いつもの出来レース》、《やる気ないだろ、言葉だけだよ》といった批判的な投稿が少なくない。

 まぁ、この他人事感もよろしくない。労組、ひいては賃上げを「他人事」にしてきたのは、日本社会全体である。だから、「自分」にも責任がある、と考えてほしいものだ。

No.6 20ヶ月前

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