ヨルダンとイスラエルの平和条約は、1994年に米国クリントン大統領の仲介により、イスラエル ラビン首相とヨルダン フセイン国王が署名した。歴史的な外交成果であった。 問題は、トランプ元大統領がすべてをぶち壊してしまった。 本来合意されていた「エルサレムの首都認定と大使館移転」がセットで実施されれば問題が出なかったのであるが、トランプ元大統領は大使館移転だけ先行させてしまった。 バイデン大統領は、批判しているが不可逆的合意であり、元に戻すことができない。 ヨルダンは親欧米派であり、アラブ穏健国であり、大変困った立場に立っている。最後尾の文章が如実に示している。 「ヨルダンは、東エルサレムの法的地位の変化により、キリスト教徒コミュニティの地位も侵害されるとして、西側社会の支持を訴えている」 米国と西欧がどのようなアクションをとるか。ヨルダンという国は、アラブの穏健国だけでなく、日本との結びつきも強い。トランプ時代のイスラエル偏重をどのように回避していくか。米国のイスラエルとの距離感が実に難しいといえるが、最終的には西欧諸国とのバランスが優先されるのではないか。
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孫崎享チャンネル
(ID:18367902)
ヨルダンとイスラエルの平和条約は、1994年に米国クリントン大統領の仲介により、イスラエル ラビン首相とヨルダン フセイン国王が署名した。歴史的な外交成果であった。
問題は、トランプ元大統領がすべてをぶち壊してしまった。
本来合意されていた「エルサレムの首都認定と大使館移転」がセットで実施されれば問題が出なかったのであるが、トランプ元大統領は大使館移転だけ先行させてしまった。
バイデン大統領は、批判しているが不可逆的合意であり、元に戻すことができない。
ヨルダンは親欧米派であり、アラブ穏健国であり、大変困った立場に立っている。最後尾の文章が如実に示している。
「ヨルダンは、東エルサレムの法的地位の変化により、キリスト教徒コミュニティの地位も侵害されるとして、西側社会の支持を訴えている」
米国と西欧がどのようなアクションをとるか。ヨルダンという国は、アラブの穏健国だけでなく、日本との結びつきも強い。トランプ時代のイスラエル偏重をどのように回避していくか。米国のイスラエルとの距離感が実に難しいといえるが、最終的には西欧諸国とのバランスが優先されるのではないか。