中庸左派 のコメント

 新型コロナを論じるにあたっては、とりあえず次の3つの視点を総合的に考えることが大事ではないか、と考えています。3年の月日が経過した今、状況の変化と顕在化した問題を踏まえた冷静な議論が必要と考えています。

①新型コロナの病態とその変化。

 感染拡大は、弱毒化を意味します。これはウイルス学の基本ということだそうです。ウイルスは宿主を殺してしまっては、伝播して生き残ることは出来ないからです。

>研究チームは2020年4月26日から2021年3月2日までの期間

 これは新型コロナパンデミックの比較的初期の病態に関する研究だと考えられます。従って、日本で言えば、ワクチン接種開始前のサンプルであり、必ずしも今日的状況の反映とは言えないでしょう。
 今や死亡率はインフルエンザと同程度になりました。病態は鼻かぜ程度とも言われています。デルタ株やオミクロン株では、ウイルス学の公理に従い、弱毒化した、というのが実際のところではないでしょうか?

>他の組織よりも呼吸器組織に有意に多く存在していたことが確認されています

 初期の新型コロナウイルスは腸に多く存在するACE2受容体に取付き、そこから血栓を作り、肺にとんでいく。だから、肺が血栓で塞がり、肺炎のような症状になる。このため、レントゲン撮影などでは、すりガラス状の造影になる、といれていました。

②予防策=ワクチン接種の是非

>5件で脳組織内SARS-CoV-2のRNAが確認されています

 この点は新型コロナワクチン接種でも同様の問題が有りうることは重要な論点だとかんがえています。
 荒川央博士は「スパイクタンパクは脳への障壁である血液脳関門を超える事が分かっています。コロナワクチンのスパイクタンパクがプリオンタンパクに類似した働きをし、脳内でプリオンを凝集させるコアとなる可能性があります。」[(コロナワクチンとクロイツフェルト・ヤコブ病)note]

 また、博士は「コロナワクチンの後遺症として心膜炎、心筋炎が報告されており、またスパイクタンパクは血液脳関門を透過しますので、脳への損傷も懸念されます。」[(コロナワクチンによるスパイクタンパクは心臓と脳で検出された)note]

 以上のように、新型コロナ後遺症の問題と、新型コロナワクチン接種後遺症は比較衡量されるべき問題です。新型コロナワクチン接種後遺症等については、厚生科学審議会 (予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会)の提示する資料は、とりわけ「後遺症」論議に関しては避けるべきではない、必読の資料だと考えています。

③社会問題としてのコロナ禍

 「医療逼迫」だけでなく、コロナ禍は様々な社会問題を引き起こしました。外出自粛による飲食店や観光地への打撃、その結果による廃業、倒産の増大。こども達の学びの機会の制約、マスク登校や授業、黙食、学校行事中止、大学生の2年間にわたるオンライン授業、キャンパスライフの侵害。若者たちへの行動制限。若年層女性の自殺増大、解雇、失業。などなど。
 これらは、生産年齢層を直撃したといってよいでしょう。

 では、高齢者はどうなのでしょうか?一例をあげれば、私の母は高齢者介護施設のお世話になっておりますが、ここではクラスター回避の名の下に、家族を含む外部の人とのコミュニケーションが完全にシャットアウトしています。
 即ち、一種の「刑務所」と化しています。全国の高齢者施設の一面を言うなら、外出外泊制限という人権侵害を辞さない「刑務所」状態です。
 勿論、施設職員の責任ではなく、クラスター回避と人権侵害を比較衡量できない社会の同調圧力の問題です。外部とのコミュニケーションを奪われ、その意味で人権侵害の形で施設に閉じ込められて、入所者の認知機能が低下しようと、利用者が嘆こうと、高齢者は「息だけしていればよい」ということなのでしょうか?
 医療と社会関係、人間らしい生活、人は、社会経済は本来どうあるべきなのか?コロナ禍から3年が経過しようとする今、トータルの社会的論議を願ってやみません。

No.6 22ヶ月前

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