中庸左派 のコメント

 中国の習近平国家主席によるサウジアラビア公式訪問により「サウジアラビア政府と中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の間で、クラウドデータコンピューティングとサウジアラビアの都市でのハイテク複合施設の建設に関する覚書を締結」(ジェトロ)したとのこと。また、2021年11月のドイツの調査会社が発表した調査では、5Gの標準必須特許宣言パテントファミリー数について中国の特許権者9社合計で40.9%を占め(注3)、国籍別で1位であった、という。
 第5世代移動通信システムについては、アメリカと中国が主導権争いをしているわけだが、実際のところ以上のようにアメリカの妨害を巧みにかわしながら、中国が着実に地歩を固めているというのが事実だろう。

 もっとも、5Gに関しては私のような「反ワクチン」論者界隈では、mRNAワクチンと相俟ってあまり評判の良い技術ではない。ここでは展開は自粛します(私自身、あくまで仮説の一つとしか、受け止めておりませんし・・・)。興味のある方はお調べ下さい。
 
 何れにせよ、科学技術分野において、日中が切磋琢磨というか、競争すること自体は良いことだと考える。だが、市場として、貿易相手国として、また隣国としての中国の存在感を考慮せずに、打ち負かすべき「敵国」として認識する嫌中論には絶対反対だ。そもそも、軍事力や経済力(購買力平価GDP、人口や市場規模)では完全に負けている。科学技術でも最早ギリギリ伯仲レベルではないのか?にも関わらず、アメリカと一緒になって中国に対抗意識を燃やす日本人の思考様式が全く理解できない。 

 中国相手には絶対勝てない。共存共栄あるのみだ。

 この点に関して、青学名誉教授の羽場久美子先生が興味深い指摘をされている。「アンガス・マディソンという統計学者が世界のGDPの統計図を作りました」「通常半年かかって打ち出される各国GDPを、世界最速のメガコンピューターで計算した世界各国のGDPシェアを西暦1年から2030年まで文化・文明も経済数値化して打ち出すと、なんと中国とインドが西暦1年から1800年までの18世紀間もの間、世界の経済の半分以上を握っているんですね。落ち込んだのは植民地時代」「つまり、中国の発展は奇跡ではなく、元に戻ろうとしているだけなのだということです」

 環球時報は、9月29日の日中国交正常化50周年にあたり、社説でこう書いている。「なぜ日本の中国に対する敵意は、米国の敵意をも凌駕するほど過激に見えるのでしょうか? 中国は日本を「敵」と見なしたことはないが、なぜ日本は常に中国を仮想の敵と見なしているのだろうか。」さらに「中国と日本を、「アジアの奇跡」の創造を牽引する2つのエンジンとして、世界は「アジアの世紀」を期待しています」とも。

 いかがだろうか?世界が多極化する中でアメリカ帝国の価値観に洗脳され、思考停止のまま、嫌中論、中国脅威論に囚われている日本人は多い。偏狭な対中ナショナリズムという偏向から抜け出さない限り、日本の平和も繁栄もないと考えるのだが。

No.7 24ヶ月前

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