りゃん のコメント

「ウクライナがNATO加入するとロシアの安全保障がおおいに侵害される」論にしても、孫崎さんがどういうおつもりかはともかく、われわれは、具体的によく考えてみないといけないとおもいます。

NATOがいったいウクライナのどこにいつモスクワ向け核ミサイルを設置するんですか?具体的なはなしを孫崎さんがしているところをみたことがない。

一方、このたびのフィンランド・スウェーデンのNATO加入への動きに対して、ロシアはカリーニングラードに核ミサイルを設置するという威嚇をしています。
https://www.asahi.com/articles/ASQ554VV3Q55UHBI01L.html
核ミサイルは、ベラルーシにもたぶんおけるし、クリミアにだって必ずおける。そのほか潜水艦にもおける。ロシアには対抗手段はあるんですよ。NATOがウクライナに核ミサイルをおいたら、かえってNATOの首が締まる。つまり、ウクライナがNATOに加入しても、ロシアはたいして痛みがないということです。

では「ウクライナの側の論理」はなにか。これはわたしの想像で、ウクライナ要人がはっきりいっているところはみたことがありませんが、「最後の切り札」です。最後の切り札くらいもってなきゃ、核兵器を放棄させられたいま、ロシアがあぶなくてしょうがない。もちろんウクライナはNATOに簡単に加入できないことくらいはわかっている。事実、戦前、加入に向けて汗ばんでたのはウクライナだけでしょ。それ自体がロシアに対する演技で、ウクライナも本当に加入できるとはおもってなかったとおもいますが、まあ、プーチンの心理(これを口実にウクライナ全土を支配する)を読み違えたのは、ウクライナ側の失敗でした。

でもこれで、ウクライナは本当にNATOに加入できるかもしれませんよ。相手の「最後の切り札」をきらせないというのは、今回の意味での「外交」の基本だとおもいますが、どうでしょうね。

No.23 30ヶ月前

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