1,実効性がなければ「違法」を考えられないのではないか 海洋裁判所判決を無視する中国にしても、イラクを侵略する米国にしても、この考えによれば「違法」ではないことになります。 さらに植民地支配も違法ではなく、世界は19世紀にもどります。「核兵器禁止条約」なんかも一笑に付されるようなはなしにまりますね。 実際には、第二次大戦終了後、世界は多少とも国際司法の制度を整えてきていますが、そういう努力も無駄ということですね。国連そのものがそういう仕組をめざすものであるといえ、ロシアは安全保障理事会の常任理事国という責任ある立場でしたが・・・ わたしなどはそういう世界はそういう世界でアリともおもいますが、真の問題は、世界を「法の支配」いよって秩序あるものにしようとしてきたサヨク(の一部)がロシアを肯定しているところです。「かれら」は好き勝手に立場を使い分けているわけですね。 もっとも、わたしは、「かれら」は結局サヨクではなかったのだと露宇戦争以後おもうようになりました。「かれら」は「反米マニア」でしかなく、サヨクは隠れ蓑にすぎなかった。 だからわたしは、以前はほんのわずかですが敬意成分もこめて「かれら」のことを劣化サヨクと読んだりもしましたが、もうやめて、反米マニアと呼んでいます。 反米マニアということであれば、首尾一貫しており、とくにわたしから申し上げることはなく、じっさいわたしからなにか申し上げたりはほとんどありません(かまってくるからコメントしています)。 2,西側の武器供給は適法なのか 集団的自衛権行使は違法ではありません。ウクライナがNATOでなくても、侵略されているウクライナと各国が個別に集団自衛権を行使するのはなんの問題もありませんね。 歴史をふりかえれば、米国のレンドリース法による武器のおかげでソ連はナチスドイツを打ち破ることができました。 それがいまウクライナに供与されているというわけですね。早期停戦こそが正しい選択なのなら、ソ連はナチスに抵抗することはなかったということです。 なお、実質の正当防衛行為などの概念をふりまわすのは、「敵基地攻撃能力」をふりまわす自民党とどこがかわらないのかとおもいます。もうすこし、議論というものに謙虚になればいいのにとおもいますよ。 3,中国について どうも中国がひとりで大きくなったとおもってるヒトビトがいますよね。前から指摘していますが。技術や資本はどこが与えたのでしょう。中国にあったのは、安く酷使し放題の労働力と、汚し放題の環境だけですよ。中国はDSとズブズブになったから経済成長できたのです。 プーチンは民族主義者でしたから、それができなかった。しかしかれもまた、自分は大金持ちになったが、ロシア国民全体を豊かにすることには失敗し、新自由主義にかわる概念も開発できず、古い大ロシア主義をもちだすことしかできませんでした。 習近平もプーチンに近い思想があるのだとおもいます。しかしやはり台湾侵略くらいしか打ち出せない。まだわかりませんが、たぶん秋の党大会では失脚し、DSとズブズブの中国が復活するのだろうという観測が最近強まってますね。 4,日本について 何度か指摘していますが、右寄り言論はロシアを支持する傾向がとても強いのです。その背景には、大日本帝国の戦争を少しでも肯定しようという意図があります。いまのロシアの姿に大日本帝国を重ねているわけですね。 わたしも右寄りの思想をもっているので、こうした考え方は、まずはとても共感できるのです。しかし、結果としてアジアのひとびとに与えた苦しみを忘れてはいけないとおもいますね。ですからわたしは「サヨク全盛の中で語られなかった歴史」を語りたいとはおもいますが、大日本帝国の戦争を肯定しようとはまったくおもいません。 ところで反米マニアのヒトビトは、そもそも大日本帝国のことを語りません。今回のロシアと同じ立場なのにね。
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1,実効性がなければ「違法」を考えられないのではないか
海洋裁判所判決を無視する中国にしても、イラクを侵略する米国にしても、この考えによれば「違法」ではないことになります。
さらに植民地支配も違法ではなく、世界は19世紀にもどります。「核兵器禁止条約」なんかも一笑に付されるようなはなしにまりますね。
実際には、第二次大戦終了後、世界は多少とも国際司法の制度を整えてきていますが、そういう努力も無駄ということですね。国連そのものがそういう仕組をめざすものであるといえ、ロシアは安全保障理事会の常任理事国という責任ある立場でしたが・・・
わたしなどはそういう世界はそういう世界でアリともおもいますが、真の問題は、世界を「法の支配」いよって秩序あるものにしようとしてきたサヨク(の一部)がロシアを肯定しているところです。「かれら」は好き勝手に立場を使い分けているわけですね。
もっとも、わたしは、「かれら」は結局サヨクではなかったのだと露宇戦争以後おもうようになりました。「かれら」は「反米マニア」でしかなく、サヨクは隠れ蓑にすぎなかった。
だからわたしは、以前はほんのわずかですが敬意成分もこめて「かれら」のことを劣化サヨクと読んだりもしましたが、もうやめて、反米マニアと呼んでいます。
反米マニアということであれば、首尾一貫しており、とくにわたしから申し上げることはなく、じっさいわたしからなにか申し上げたりはほとんどありません(かまってくるからコメントしています)。
2,西側の武器供給は適法なのか
集団的自衛権行使は違法ではありません。ウクライナがNATOでなくても、侵略されているウクライナと各国が個別に集団自衛権を行使するのはなんの問題もありませんね。
歴史をふりかえれば、米国のレンドリース法による武器のおかげでソ連はナチスドイツを打ち破ることができました。
それがいまウクライナに供与されているというわけですね。早期停戦こそが正しい選択なのなら、ソ連はナチスに抵抗することはなかったということです。
なお、実質の正当防衛行為などの概念をふりまわすのは、「敵基地攻撃能力」をふりまわす自民党とどこがかわらないのかとおもいます。もうすこし、議論というものに謙虚になればいいのにとおもいますよ。
3,中国について
どうも中国がひとりで大きくなったとおもってるヒトビトがいますよね。前から指摘していますが。技術や資本はどこが与えたのでしょう。中国にあったのは、安く酷使し放題の労働力と、汚し放題の環境だけですよ。中国はDSとズブズブになったから経済成長できたのです。
プーチンは民族主義者でしたから、それができなかった。しかしかれもまた、自分は大金持ちになったが、ロシア国民全体を豊かにすることには失敗し、新自由主義にかわる概念も開発できず、古い大ロシア主義をもちだすことしかできませんでした。
習近平もプーチンに近い思想があるのだとおもいます。しかしやはり台湾侵略くらいしか打ち出せない。まだわかりませんが、たぶん秋の党大会では失脚し、DSとズブズブの中国が復活するのだろうという観測が最近強まってますね。
4,日本について
何度か指摘していますが、右寄り言論はロシアを支持する傾向がとても強いのです。その背景には、大日本帝国の戦争を少しでも肯定しようという意図があります。いまのロシアの姿に大日本帝国を重ねているわけですね。
わたしも右寄りの思想をもっているので、こうした考え方は、まずはとても共感できるのです。しかし、結果としてアジアのひとびとに与えた苦しみを忘れてはいけないとおもいますね。ですからわたしは「サヨク全盛の中で語られなかった歴史」を語りたいとはおもいますが、大日本帝国の戦争を肯定しようとはまったくおもいません。
ところで反米マニアのヒトビトは、そもそも大日本帝国のことを語りません。今回のロシアと同じ立場なのにね。