米国は戦前から、侵攻するなら経済制裁するといっており、そのとおり経済制裁している。私企業にとっては予測の範囲内だろう。 ロシアは直前まで侵攻しないといっており、それを信じてロシアは侵攻しないとここに書き込んでいたヒトもいたが・・・ 軍需企業がもうかっているのはそのとおりだろうが、わたしには米国は抑制的にみえる。よくひきあいにだされるジャベリンは2.5km圏内で人が撃つ兵器だから、向かってくる敵には有効だが去っていく敵にはあまり有効ではない。つまり防御的な兵器だし、人命の損耗をともなう。だからキーウ近郊から去っていくロシア軍をウクライナ軍は追撃できなかった。軍需産業の儲けを極大化したいなら、もっと別の武器を多数供与すれば良かったのだ。 最近は東部での反転攻勢計画も言われているが、米側は他国のもっている古い兵器(ギリシャの旧ソ連製兵器など)を供与させるように動いている。自国の最新兵器をあまり供与する方向ではない。ウクライナ軍にとって最新兵器は操作しにくいという理由もあるだろうが、軍需産業の儲け第一でないことは確かだ。 スイッチブレード(自爆ドローン)の供与はするみたいだが、これも接近してでなければ使えないし、ジャベリンほどの打撃力もないから、攻撃的ドローンとはいうが、活躍の場面は限られるだろう。 こうしてみてくると、少なくとも今次戦争においては、米国は、ロシアをウクライナの防衛に必要な以上にはおいつめないようにとても神経を使っている印象であり、軍需産業の儲けなどは二の次なのだろうとみている。何より、ロシアが撤退すれば、即時に戦争は終わる。儲けを極大化したいなら、終了時期を自分で決められないという意味で愚かな計画である。ベトナム戦争などとは全然ちがう。 ところで、2月26日、27日、28日あたりのこのブログを読み返してみて、あらためて本日の書き込みを読むと、プーチンと気分が一体となった一部の常連さんの初期のコーフンがひとつきをへて冷えていく様子がうかがえて、なかなかおもしろいとおもう。 孫崎さんも、 「ロシア軍ウクライナ侵攻。ウクライナの全土掌握は時間の問題。ウクライナ軍に力なく、西側に軍事的対抗の意思全くなし。冷戦後米国の一極支配を世界が容認してきたが、この一極支配の終焉を意味する。米国と一体なら安全だという時代が終わった。日本への重大な教訓」 と2月26日のタイトルでおっしゃっているが、少し認識が甘くていらっしゃったのではないだろうか。 また孫崎さんは、ツイで(ロシア系住民(住民であって民族ではないのだが))の民族自決のことをおっしゃっているが、ウクライナ民族の民族自決のことはおっしゃらないし、ウイグルの民族自決のこともいわない(内政干渉をウエストファリア条約までもちだして論じておられた)が、これはあまりにもご都合主義ではないだろうか。 なお、参考までに2月28日のブログをここにはりつけておきます。 https://sp.ch.nicovideo.jp/magosaki/blomaga/ar2082808
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米国は戦前から、侵攻するなら経済制裁するといっており、そのとおり経済制裁している。私企業にとっては予測の範囲内だろう。
ロシアは直前まで侵攻しないといっており、それを信じてロシアは侵攻しないとここに書き込んでいたヒトもいたが・・・
軍需企業がもうかっているのはそのとおりだろうが、わたしには米国は抑制的にみえる。よくひきあいにだされるジャベリンは2.5km圏内で人が撃つ兵器だから、向かってくる敵には有効だが去っていく敵にはあまり有効ではない。つまり防御的な兵器だし、人命の損耗をともなう。だからキーウ近郊から去っていくロシア軍をウクライナ軍は追撃できなかった。軍需産業の儲けを極大化したいなら、もっと別の武器を多数供与すれば良かったのだ。
最近は東部での反転攻勢計画も言われているが、米側は他国のもっている古い兵器(ギリシャの旧ソ連製兵器など)を供与させるように動いている。自国の最新兵器をあまり供与する方向ではない。ウクライナ軍にとって最新兵器は操作しにくいという理由もあるだろうが、軍需産業の儲け第一でないことは確かだ。
スイッチブレード(自爆ドローン)の供与はするみたいだが、これも接近してでなければ使えないし、ジャベリンほどの打撃力もないから、攻撃的ドローンとはいうが、活躍の場面は限られるだろう。
こうしてみてくると、少なくとも今次戦争においては、米国は、ロシアをウクライナの防衛に必要な以上にはおいつめないようにとても神経を使っている印象であり、軍需産業の儲けなどは二の次なのだろうとみている。何より、ロシアが撤退すれば、即時に戦争は終わる。儲けを極大化したいなら、終了時期を自分で決められないという意味で愚かな計画である。ベトナム戦争などとは全然ちがう。
ところで、2月26日、27日、28日あたりのこのブログを読み返してみて、あらためて本日の書き込みを読むと、プーチンと気分が一体となった一部の常連さんの初期のコーフンがひとつきをへて冷えていく様子がうかがえて、なかなかおもしろいとおもう。
孫崎さんも、
「ロシア軍ウクライナ侵攻。ウクライナの全土掌握は時間の問題。ウクライナ軍に力なく、西側に軍事的対抗の意思全くなし。冷戦後米国の一極支配を世界が容認してきたが、この一極支配の終焉を意味する。米国と一体なら安全だという時代が終わった。日本への重大な教訓」
と2月26日のタイトルでおっしゃっているが、少し認識が甘くていらっしゃったのではないだろうか。
また孫崎さんは、ツイで(ロシア系住民(住民であって民族ではないのだが))の民族自決のことをおっしゃっているが、ウクライナ民族の民族自決のことはおっしゃらないし、ウイグルの民族自決のこともいわない(内政干渉をウエストファリア条約までもちだして論じておられた)が、これはあまりにもご都合主義ではないだろうか。
なお、参考までに2月28日のブログをここにはりつけておきます。
https://sp.ch.nicovideo.jp/magosaki/blomaga/ar2082808