荻外荘五相会議以前に、<台湾・朝鮮・満州を植民地支配し駐留する問題>に対する日本の姿勢変更がなければ、列強諸国との対話交渉が成り立たなくなっていた。 日本の実情は、当時苦しい状況に置かれたことは確かである。 世界恐慌から脱するため、イギリス、フランスなどは他国の商品に高関税をかけたり、輸入制限を行った。自国と植民地でブロック経済貿易政策をとり、日本の商品は売れなくなった。 対抗策として、台湾・朝鮮・満州で支配地域ブロック経済を確立しようとした。昭和天皇も大本営も武力行使を認めなかったが、関東軍はじめ駐留する日本軍は植民地で暴走する傾向が強くなっていった。 現在も同じであるが、経済制裁は、当事国の為政者にとって国民の信頼を失う大きな要素であることは間違いない。 米国は、約110か国が参加する民主主義サミットを行っている。私には、当時の日本ほどではないが、現在の中国の置かれた状況は世界を二分する軍事・経済の環境整備が行われようとしている段階に見える。天安門事件当時の日本の判断が同じように通用するかどうか。今回は非常に難しい判断が求められている。日本のボイコット同意が中途半端であれば、米国の踏み絵が次から次へと繰り出されてくるのでしょう。
チャンネルに入会
フォロー
孫崎享チャンネル
(ID:18367902)
荻外荘五相会議以前に、<台湾・朝鮮・満州を植民地支配し駐留する問題>に対する日本の姿勢変更がなければ、列強諸国との対話交渉が成り立たなくなっていた。
日本の実情は、当時苦しい状況に置かれたことは確かである。
世界恐慌から脱するため、イギリス、フランスなどは他国の商品に高関税をかけたり、輸入制限を行った。自国と植民地でブロック経済貿易政策をとり、日本の商品は売れなくなった。
対抗策として、台湾・朝鮮・満州で支配地域ブロック経済を確立しようとした。昭和天皇も大本営も武力行使を認めなかったが、関東軍はじめ駐留する日本軍は植民地で暴走する傾向が強くなっていった。
現在も同じであるが、経済制裁は、当事国の為政者にとって国民の信頼を失う大きな要素であることは間違いない。
米国は、約110か国が参加する民主主義サミットを行っている。私には、当時の日本ほどではないが、現在の中国の置かれた状況は世界を二分する軍事・経済の環境整備が行われようとしている段階に見える。天安門事件当時の日本の判断が同じように通用するかどうか。今回は非常に難しい判断が求められている。日本のボイコット同意が中途半端であれば、米国の踏み絵が次から次へと繰り出されてくるのでしょう。