りゃん のコメント

ご返事ありがとうございました。

この衆院選といえば、やはり、野党共闘の惨敗をどうみるかは外せないとおもいます。個人的には、「野党がまとまれば小選挙区で自民に勝ち政権交代ができる」という小沢一郎らが唱えていた理論の破綻が実証されたのだとおもっています。自民批判票は野党共闘にはいかず、維新等、別の受け皿に行く、という流れが決定的になった感があります。そうすると今後参院選に向けては小池百合子の動向などが「自民批判票の受け皿」をめぐって焦点となり、野党共闘は見向きもされなくなっていくのではないかと思われます。

そう決めつけるにはまだはやく、同じように2,3回は野党共闘でやってみないとわからないという考えにも一理あるとはおもいます。しかしそもそも野党共闘は(異論はあるのかもしれませんが)枝野だから実現した戦術でした。枝野が辞任したあと、もはや来年の参院選で立民が野党共闘でまとまるのかどうか。逆に年末にかけて、維新に合流するひとびとがポツポツではじめるのではという気もします。

その維新は、見極めにまだ(個人的には)時間が必要だとはおもうものの、わたしは強く警戒しています。かれらの指導原理が新自由主義であるようだからです。 

「自民党の二階俊博幹事長の名から二階派と呼ばれる自民党のこのパワフルな派閥は親中派である。同派閥は『二階・今井派』と呼ばれることもある」とCSISに書かれた今井尚哉は、現在カーライルのシニアアドバイザーになっています。
https://www.carlyle.com/node/33601

この事実からも想像できるように、中国と米国は新自由主義という同じ穴の狢だということは、なんどかここで書いてますが、なかなか理解されないのですよね。もちろん両国は別に一枚岩ではなく、かつそれぞれの国内にもいろんな勢力の角逐がありますが、ここ30年、東アジアでの根本的な原理は米中両国が担う新自由主義であったことは明白です。そして、米国に変化の兆しはあるものの、今後も数十年そう簡単にかわるものでもないでしょう。

日本は鎖国しているわけではないので、新自由主義的な要素をすべて拒否するわけにはいきませんが、安易に流されると、米国と中国と双方の属国となり、もはや何百年も立ち直れなくなると思います。

ここにいる「親中派」のヒトビトなどは、コメントを読む限り、維新の政治家を罵倒したり、とってつけたような新自由主義批判はしても、新自由主義に原理レベルで反対しているふうではなく、維新が「憲法9条改正はしない」「尖閣では中国の立場を尊重する」などといえば(そして、実際に言いそうだとわたしは感じます)、あっというまに維新支持になるのではないでしょうか。

「イマジン」をタリバンがどう聞くか、という想像力は今の日本人に必要だと感じます。

No.12 36ヶ月前

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