韓国のバランサー論で、韓国人が積極的に言わない点がふたつあります(言っても損するだけですから)。 まず、韓国は潜在的な核兵器保有国であるということです(北朝鮮がもっていますから)。そして北朝鮮の核兵器は、中国にも向いています。朝鮮民族は安全保障議論の面では、日本よりもはるかに存在感があります。いつまでもなにか下に見てわかっておらず、韓国にできることは日本にもできるとおもうヒトビトは多いのですが。 ロシアの経済規模は韓国と同程度ですが、核兵器をもっていますから、ロシアが本気で米中のバランサーになろうとおもえばなれるでしょう。じっさい、トランプ政権がつづけば、少なくともその方向に向くだけは向いた可能性があります。そしてそれをみこして安倍のプーチンへの攻略があったとおもいます。いまは頓挫してしまいましたが。 二番目は、バランサー論というのは、米中は仲良くしてね、という話ではなく、米中のはざまの地政学的位置を利用して、米にも中にも大きく出ながら「自分が」したたかに金儲けしようという積極的な考えです。その結果局面局面では米に近づいて中との関係が悪くなる場合もあるし、その逆もあります。核兵器が潜在的にでもあるから可能な戦略です。 それから一般論ですが、経済は安全保障の補完になりません。北米に進出した企業がクリントン政権以来、徹底的にやられてしまったとわかっているじゃないですか。中国も同じことをやります。 核武装ができればいちばんいいのですが、米が許さず、同時に米が(米にとって都合のいいところだけは)日本から引いてゆくなら、日本は核兵器をもつ国と集団的安全保障の方向に行くしかありません。それがまさに日米印豪の枠組みで、とくにインドの動向が死活的に重要です。ロシアも含めればもっといいのですが、今の米露関係では無理でしょう。 逆に、中国と最近も実際に戦争をしているインドと日本が近づくことに反対や懸念している親中論者を見たことがありません。ふつうの親中論者がいかに何も見ていないかということだとおもいます。
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孫崎享チャンネル
(ID:13458971)
韓国のバランサー論で、韓国人が積極的に言わない点がふたつあります(言っても損するだけですから)。
まず、韓国は潜在的な核兵器保有国であるということです(北朝鮮がもっていますから)。そして北朝鮮の核兵器は、中国にも向いています。朝鮮民族は安全保障議論の面では、日本よりもはるかに存在感があります。いつまでもなにか下に見てわかっておらず、韓国にできることは日本にもできるとおもうヒトビトは多いのですが。
ロシアの経済規模は韓国と同程度ですが、核兵器をもっていますから、ロシアが本気で米中のバランサーになろうとおもえばなれるでしょう。じっさい、トランプ政権がつづけば、少なくともその方向に向くだけは向いた可能性があります。そしてそれをみこして安倍のプーチンへの攻略があったとおもいます。いまは頓挫してしまいましたが。
二番目は、バランサー論というのは、米中は仲良くしてね、という話ではなく、米中のはざまの地政学的位置を利用して、米にも中にも大きく出ながら「自分が」したたかに金儲けしようという積極的な考えです。その結果局面局面では米に近づいて中との関係が悪くなる場合もあるし、その逆もあります。核兵器が潜在的にでもあるから可能な戦略です。
それから一般論ですが、経済は安全保障の補完になりません。北米に進出した企業がクリントン政権以来、徹底的にやられてしまったとわかっているじゃないですか。中国も同じことをやります。
核武装ができればいちばんいいのですが、米が許さず、同時に米が(米にとって都合のいいところだけは)日本から引いてゆくなら、日本は核兵器をもつ国と集団的安全保障の方向に行くしかありません。それがまさに日米印豪の枠組みで、とくにインドの動向が死活的に重要です。ロシアも含めればもっといいのですが、今の米露関係では無理でしょう。
逆に、中国と最近も実際に戦争をしているインドと日本が近づくことに反対や懸念している親中論者を見たことがありません。ふつうの親中論者がいかに何も見ていないかということだとおもいます。