りゃん のコメント

本文をよく読まずに日経のいう「中国AI研究、米を逆転」に脊髄反射してるヒトがいますね。前にも書いたけど、中国がのしてきているとなると、よく分析せずに中国になびいてしまう。これは、米国がのしてきていると、米国になびく態度となにもかわりません。

スタンフォード大の報告を読むと、
「however, the US has consistently (and significantly) more AI conference papers (which are also more heavily cited) than China over the last decade.」
と書いているし、文科省の研究所のまとめでは
「質の高い論文が増えている背景には、研究力の向上に加え、中国人留学生の増加により、米国の研究機関と共同で論文を出すケースが多くなったことなどがある」
と書いている。

また、スタンフォード大の報告では、AI分野でPh.D.とった人々は海外出身者が多く、卒業後も米国にとどまる傾向にあることがわかるし、AI ethics についてやりたい放題状態(意訳)になっていることが指摘され、「researchers and civil society view AI ethics as more important than industrial organizations.」と書いている。ここでは、とくに中国が念頭に置かれていることが、明記はされてないが、読むものにとって常識でしょう。

まとめると、
中国のAI研究論文は、米国の大学や研究所での指導下で中国人留学生が研究することで急速に数を増やしてきたが、まだ米国には質の点で及ばない。さらに、(中国だけではないが、とくに中国の)AI ethics については深刻な倫理的問題が懸念される。
というのが今回の孫崎さんの諸引用から敷衍的にわかることであり、そのうえ、中国のAI研究において「米国での研究」「卒業後は米国にとどまる」ことが特徴づけられるのであれば、今後の米中関係が中国のAI研究に強い影響を及ぼすということが想像されます。実際にトランプ政権末期のころ、トランプは中国人留学生や研究者を米国からしめだそうとしていましたから、もしトランプが再選されていたら、今とは少し様相がかわっていたことでしょう。


ところで、ものごとの評価には、立場による違いがあり、そこにいちいちは反応するつもりはありませんが、「中国が採用しているのは・・・内政不干渉、戦争反対です。戦争、絶対に先制攻撃をしません」という、事実に照らしてどの立場でもデマという発言にたいしては、やはりデマというしかありません。前回あったCDCのPCR検査についての表明に対する解釈もそうでしたが。

No.26 40ヶ月前

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