ご投稿の最後の部分「自分の知らないところで何かがゆっくりと慎重に準備されつつあった。そしてもはや未来にある唯一つ確実なものは死なのである」が私を妙に刺激するのです。 梅原猛氏は西洋哲学研究の第一人者ですが、その彼は「ハイデッガーの現存在は日常的には自己を失って、頽落してます。ところが、現存在が死の前に立てられたときに実存的になる。人間は死を覚悟することによって、そこで本来の人間に目覚める。それが実存です」と説明してます。 三島由紀夫氏は東大法学部でトップクラスの学生でした。そんな彼ですから、ハイデッガーの哲学を知らない訳が無い。三島由紀夫氏と梅原猛氏は東条の学徒動員の対象でした。国家の命令で死に直面させられた最後の世代です。 三島由紀夫氏は西洋哲学の枠内で死んで行き、梅原猛氏は仏教の研究者になり100歳近くまで生きた、と思えるのです。
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孫崎享チャンネル
(ID:19005377)
ご投稿の最後の部分「自分の知らないところで何かがゆっくりと慎重に準備されつつあった。そしてもはや未来にある唯一つ確実なものは死なのである」が私を妙に刺激するのです。
梅原猛氏は西洋哲学研究の第一人者ですが、その彼は「ハイデッガーの現存在は日常的には自己を失って、頽落してます。ところが、現存在が死の前に立てられたときに実存的になる。人間は死を覚悟することによって、そこで本来の人間に目覚める。それが実存です」と説明してます。
三島由紀夫氏は東大法学部でトップクラスの学生でした。そんな彼ですから、ハイデッガーの哲学を知らない訳が無い。三島由紀夫氏と梅原猛氏は東条の学徒動員の対象でした。国家の命令で死に直面させられた最後の世代です。
三島由紀夫氏は西洋哲学の枠内で死んで行き、梅原猛氏は仏教の研究者になり100歳近くまで生きた、と思えるのです。