「問題は米国自身にある」とおっしゃりつつ、問題の内容として米国経済の数字をあげておられる。しかし、ロシアの政府系ファンドの動向や、中国の外貨準備とイラン産原油輸入の人民元建て化といったものは、もろに政治的なのであり、直接的に米国経済と関連付けるのは無理がある。 「世界の外貨準備のドル比率はピークの87%(1970年代)から59%になった」というのも、するっと読めばずいぶん減ったとおもうが、比較が1970年代であれば、むしろ当然といえ、現在の米国経済と直接結びつけるのはやはり無理がある。 孫崎さんの分析が総体として間違っていると言っているのではない。そうではなく、中国がのしてきているという分析を読めば、批判的思考なく、なんとなくそっちになびく傾向のことを言っているのだ。それは、米国がのしてきているときは、なんとなくそっちになびくのと何も変わらない。 前回、三島由紀夫の死に近い時期の文章を掲載してくれた方がいた。あらためて読み返しつつ、三島自身は、米国を強く意識しつつも、あくまでも日本人の主体的な態度を問題にしていたことを再確認した。それは、1970年にあっては、反米自称サヨクの立場と 似て見えたかもしれないが、実はまったく異なっていたことが、明らかであろう。
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孫崎享チャンネル
(ID:13458971)
「問題は米国自身にある」とおっしゃりつつ、問題の内容として米国経済の数字をあげておられる。しかし、ロシアの政府系ファンドの動向や、中国の外貨準備とイラン産原油輸入の人民元建て化といったものは、もろに政治的なのであり、直接的に米国経済と関連付けるのは無理がある。
「世界の外貨準備のドル比率はピークの87%(1970年代)から59%になった」というのも、するっと読めばずいぶん減ったとおもうが、比較が1970年代であれば、むしろ当然といえ、現在の米国経済と直接結びつけるのはやはり無理がある。
孫崎さんの分析が総体として間違っていると言っているのではない。そうではなく、中国がのしてきているという分析を読めば、批判的思考なく、なんとなくそっちになびく傾向のことを言っているのだ。それは、米国がのしてきているときは、なんとなくそっちになびくのと何も変わらない。
前回、三島由紀夫の死に近い時期の文章を掲載してくれた方がいた。あらためて読み返しつつ、三島自身は、米国を強く意識しつつも、あくまでも日本人の主体的な態度を問題にしていたことを再確認した。それは、1970年にあっては、反米自称サヨクの立場と
似て見えたかもしれないが、実はまったく異なっていたことが、明らかであろう。