その1。 鳩山首相は今回の訪米で正式な日米首脳会談ができず、夕食会の席上で約10分の意見交換をしただけに終わりました。 https://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1602A_W0A410C1000000/ という記事が出たのは、日付を見ると2010年4月19日となってるので、ちょうど11年前だったわけだ。鳩山氏はご自分のことを忘れるにはまだはやいんじゃないかな。スガ首相に対してこんなツイを書けば、かならず鳩山氏自身はどうだったのか、みな思い出すだろう。そうしてみると、「夕食会を断られハンバーガー付きの20分の首脳会談では哀れでした」という感想はじつに薄っぺらいし、ほとんど恥を知らない感じさえする。 今回スガ首相が本当に「冷遇」されたのかどうか知らないが、「冷遇」なのだとすれば、多少とも米国のいうなりにならなかったことが想像され、鳩山氏や孫崎さんはうれしいはずじゃないのか。つまり、「冷遇」は日本が米国に抵抗したあかしだともいえるわけで(※)、そのあたりの分析こそを元首相の鳩山氏からは聞きたいのだが、無理なのだろう。 その2。 「ある上場企業から実証実験でガスハイドレート法により海洋放出の運用基準以下にトリチウムを抑えることができたと報告があった」と書いている。その通りだとして、このさき安定して実用できるまでのプラントがつくれるのか、作れそうだとしても、費用は、処理に要する期間は等々の問題点をつめ、目途がたてば、予算をつけ、現実にプラントを建設してゆく。むしろ本当の実用化は、できるとしても、これからずっと先なのだ。やはりそのあたりの分析こそを理系の学位を持つ鳩山氏からは聞きたいのだが、無理なのだろう。 その3 鳩山氏は、しばらく前に、 「台湾では市中感染は9ヶ月で1例のみ。同じ島国の日本とどこで差がついたのか。台湾政府はWHOより早く感染症に気付き一昨年末に既に武漢からの便の検疫を始め云々」との内容のツイートをした。孫崎ブログでもとりあげていた。 https://ch.nicovideo.jp/magosaki/blomaga/ar1988633 わたしは1年ちょっとまえ、この孫崎ブログで、中国人観光客をうけいれる日本政府の対応を強く批難し、台湾政府の対応を是とする議論をしていた。当時、わたしに賛同する意見は孫崎ブログにはなく、韓国だの中国自体だのの対応を称賛する議論が目立っていた記憶があるが、一年たって、鳩山氏も気づいたのは、よしとしよう。 しかし、鳩山氏が元首相であるからには、これだけでは足りないのだ。元首相が台湾政府の対応を称賛するなら、中国がWHOを牛耳っているために日本を含め世界の初動がおくれたこと、中国の邪魔のために台湾がWHOに加入できないこと、少なくともこれらについては、意見を表明してもらわなければ、話にもならない。 その1,その2,その3に共通するのは、政治家としての深い考えのなさだ。鳩山氏の父親が、鳩山氏が政治家になることに反対していたというのは有名なはなしだが、実に明察であったと。 ※ ちょっと前に書いた通り、今回の日本は、明らかになった限りでは、軍事面で中国への脅威を1ミリも増加させる約束を米国としていない。今後、中距離核の配備などが米国から要求されるのだろうが、少なくとも現時点では抵抗しているとみえるのだ。今後、米国は「戦争ムード」を盛り上げ、その尻馬にのる国内の評論家なども出てこようが、わたしは、米国実際にはは「ソ連をつぶしたようにつぶす」考えなのだと感じている。やりとげれば大陸での内戦まであるとおもっているが、中国とソ連ではちがう要素もあり、また米国がいつ考えを変えるかもしれないし、どうなるかというところだ。
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その1。
鳩山首相は今回の訪米で正式な日米首脳会談ができず、夕食会の席上で約10分の意見交換をしただけに終わりました。
https://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1602A_W0A410C1000000/
という記事が出たのは、日付を見ると2010年4月19日となってるので、ちょうど11年前だったわけだ。鳩山氏はご自分のことを忘れるにはまだはやいんじゃないかな。スガ首相に対してこんなツイを書けば、かならず鳩山氏自身はどうだったのか、みな思い出すだろう。そうしてみると、「夕食会を断られハンバーガー付きの20分の首脳会談では哀れでした」という感想はじつに薄っぺらいし、ほとんど恥を知らない感じさえする。
今回スガ首相が本当に「冷遇」されたのかどうか知らないが、「冷遇」なのだとすれば、多少とも米国のいうなりにならなかったことが想像され、鳩山氏や孫崎さんはうれしいはずじゃないのか。つまり、「冷遇」は日本が米国に抵抗したあかしだともいえるわけで(※)、そのあたりの分析こそを元首相の鳩山氏からは聞きたいのだが、無理なのだろう。
その2。
「ある上場企業から実証実験でガスハイドレート法により海洋放出の運用基準以下にトリチウムを抑えることができたと報告があった」と書いている。その通りだとして、このさき安定して実用できるまでのプラントがつくれるのか、作れそうだとしても、費用は、処理に要する期間は等々の問題点をつめ、目途がたてば、予算をつけ、現実にプラントを建設してゆく。むしろ本当の実用化は、できるとしても、これからずっと先なのだ。やはりそのあたりの分析こそを理系の学位を持つ鳩山氏からは聞きたいのだが、無理なのだろう。
その3
鳩山氏は、しばらく前に、
「台湾では市中感染は9ヶ月で1例のみ。同じ島国の日本とどこで差がついたのか。台湾政府はWHOより早く感染症に気付き一昨年末に既に武漢からの便の検疫を始め云々」との内容のツイートをした。孫崎ブログでもとりあげていた。
https://ch.nicovideo.jp/magosaki/blomaga/ar1988633
わたしは1年ちょっとまえ、この孫崎ブログで、中国人観光客をうけいれる日本政府の対応を強く批難し、台湾政府の対応を是とする議論をしていた。当時、わたしに賛同する意見は孫崎ブログにはなく、韓国だの中国自体だのの対応を称賛する議論が目立っていた記憶があるが、一年たって、鳩山氏も気づいたのは、よしとしよう。
しかし、鳩山氏が元首相であるからには、これだけでは足りないのだ。元首相が台湾政府の対応を称賛するなら、中国がWHOを牛耳っているために日本を含め世界の初動がおくれたこと、中国の邪魔のために台湾がWHOに加入できないこと、少なくともこれらについては、意見を表明してもらわなければ、話にもならない。
その1,その2,その3に共通するのは、政治家としての深い考えのなさだ。鳩山氏の父親が、鳩山氏が政治家になることに反対していたというのは有名なはなしだが、実に明察であったと。
※ ちょっと前に書いた通り、今回の日本は、明らかになった限りでは、軍事面で中国への脅威を1ミリも増加させる約束を米国としていない。今後、中距離核の配備などが米国から要求されるのだろうが、少なくとも現時点では抵抗しているとみえるのだ。今後、米国は「戦争ムード」を盛り上げ、その尻馬にのる国内の評論家なども出てこようが、わたしは、米国実際にはは「ソ連をつぶしたようにつぶす」考えなのだと感じている。やりとげれば大陸での内戦まであるとおもっているが、中国とソ連ではちがう要素もあり、また米国がいつ考えを変えるかもしれないし、どうなるかというところだ。