りゃん のコメント

1964年といえば、中国が東京オリンピック開催にあわせて核実験をおこなったのは有名だし、そのかげで、多数のウイグル人が放射能被害にあわされ捨てられていたこともその後わかった。そういうなか、日本でがんばっていた官僚がいたという話だとおもう。わたしは城山三郎の「官僚たちの夏」を読んだことがあるが、ああいう雰囲気が日本の官僚に多かれ少なかれ漲っていたのだろう。

さて、孫崎さんの投げかけたい趣旨は理解できているつもりだし、全体として魚本大使の方向性が正しいことに異論はないが、わたしなどは、どうしても「朝霞に選手村を建設する手配」を全て整えていた文部官僚の、その後の苦労を想像してしまう。現在の組織文化でも、上司と勝手に結託して同僚を出し抜くような行為は嫌われる。

もっとも、外務官僚と旧内務官僚からすれば、文部官僚のような三流官僚などは、同僚ではなく、反撃される可能性もなく、こういう扱いでよかったのかもしれない。うがちすぎであろうか。

ライシャワー(米国)が寛容だったというのも、意外な感じはしない。また、結局、オリンピックを利用して物事を進めている点は、少なくとも動機において今回のオリンピックとかわらない。

孫崎さんの投げかけたい趣旨は理解できているつもりだし、全体として魚本大使の方向性が正しいことに異論はない。ただ、何もかも物事が現在よりも単純な時代だったのだろうというのが、わたしの受け止めだ。「今は昔」というときの、今との違いは具体的には、その点なのだろうなとおもう。

No.7 44ヶ月前

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