「ドル覇権放棄の時」とか「ドル基軸通貨の寿命」とか刺激的な話題であり、強く興味を引くことは確かである。 人民元がドルに変わる通貨となるには、まず国際通貨として評価されるようにならなければならない。残念ながら、米国のドルは別格としも、ユーロ、日本円、英ポンド、スイスフランに及ばない。人民元のウエイトは、2%程度に過ぎない。逆に、人民元が何故国際通貨として通用していないかの分析が不可欠です。中ソ決済がドルから人民元に移行しているといわれても当たり前でしょう。今までドルであった方がおかしいともいえる。 2015年に失敗したが、為替相場の交換の自由度の教訓を生かしていくことである。 ①人民元の下落と資本の流出が止まらなくなった。資本規制せざるを得なくなった。 ②企業の過剰債務や金融死システムの脆弱性など構造的課題にどのように取り組むのか ③人民元のネットワークの外部性をどのように確保していくか。 このような問題を考えていくと、人民元で対抗するのは難しいでしょう。米ドル基軸通貨のほかに主要国で構成する中央銀 デジタル通貨を交換の自由度がある通貨として機能していくかどうかが問われている。中国は国際標準にならなければ、決済通貨としての地位確保が難しい。 最近の報道によると、中国輸出は伸びているが、輸入が停滞している。中国政府は、元の切り上げを行っているが、国内の物価上昇・商品の不足が庶民の生活に重くのしかかっている。輸出より輸入に重点を置かないと国内消費に対応できなくなっているともいえる。中国はかじ取りが非常に難しくなっている。市場経済に委ねなければ対処できなくなっているのでしょう。
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孫崎享チャンネル
(ID:18367902)
「ドル覇権放棄の時」とか「ドル基軸通貨の寿命」とか刺激的な話題であり、強く興味を引くことは確かである。
人民元がドルに変わる通貨となるには、まず国際通貨として評価されるようにならなければならない。残念ながら、米国のドルは別格としも、ユーロ、日本円、英ポンド、スイスフランに及ばない。人民元のウエイトは、2%程度に過ぎない。逆に、人民元が何故国際通貨として通用していないかの分析が不可欠です。中ソ決済がドルから人民元に移行しているといわれても当たり前でしょう。今までドルであった方がおかしいともいえる。
2015年に失敗したが、為替相場の交換の自由度の教訓を生かしていくことである。
①人民元の下落と資本の流出が止まらなくなった。資本規制せざるを得なくなった。
②企業の過剰債務や金融死システムの脆弱性など構造的課題にどのように取り組むのか
③人民元のネットワークの外部性をどのように確保していくか。
このような問題を考えていくと、人民元で対抗するのは難しいでしょう。米ドル基軸通貨のほかに主要国で構成する中央銀
デジタル通貨を交換の自由度がある通貨として機能していくかどうかが問われている。中国は国際標準にならなければ、決済通貨としての地位確保が難しい。
最近の報道によると、中国輸出は伸びているが、輸入が停滞している。中国政府は、元の切り上げを行っているが、国内の物価上昇・商品の不足が庶民の生活に重くのしかかっている。輸出より輸入に重点を置かないと国内消費に対応できなくなっているともいえる。中国はかじ取りが非常に難しくなっている。市場経済に委ねなければ対処できなくなっているのでしょう。