この件について、以前、元文科官僚の寺脇研がしゃべるか書くかしているのを見たが、私的支出まで含めたトータルの支出でみれば、日本の教育支出は他国と比べて少ないということはないのです。そうだとすれば、そうなる背景だとか、その結果どういう問題がおこりうるかということをもう少し具体的に考えるべきでしょう。 長々と議論を展開するほどの知識はないが、わたしにも指摘できそうな点として、とりあえず 1、大学以上の、研究開発費(とくに理系)は増やす必要がある。それと同時に、ポスドクの職の問題など、いままでにさんざん指摘されている問題が大学以上では山積みです。 2、高等学校までの教育にたいする私的支出というのは、多くが、都市部における塾とか予備校の費用ということになります。わたしが具体的に知っている例でも、大学受験でこどもを通わせるのに、高校の間ずっと、あるいはもっと早くから、月々10万円以上かかったりとか、医学部専門予備校の冬期講習なら500万円以上かかるのが普通とかがあります。大学受験にそこまでカネかける価値があるのかという問題はおいといても、将来の階層固定化(都市対地方、親からの職業)につながる由々しき問題でしょう。 少し話はそれますが、わたしは「特権は2代まで」と普段からなんとなくおもっています。 たとえば、在日韓国朝鮮人はそもそも「日本人」だったのですが、日本の敗戦の結果日本人ではなくなった。その結果、事実上の便宜が与えられた。その便宜は、そのときの本人やそのこどもまでは認められても、三代目以降にひきつがれるのは、おかしな話です。 たとえば、農地改革で小作農は地主から土地を得たのですが、三代目以降になっても、その土地を売ったり、賃貸住宅を立てたりしてやすやすと儲けているのはおかしな話です。 たとえば、政治家が世襲貴族化しているのはおかしな話で、三代目ともなれば、少なくとも同じ選挙区からは立候補できないようにすべきでしょう。 等々。 教育というのは、このような階層固定化を打破するチカラを秘めている(逆に固定化してしまうチカラも秘めているともおもわれる)。適切に改革すべきですが、抵抗勢力も、左右問わず、すさまじかろうとおもわれます。
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孫崎享チャンネル
(ID:13458971)
この件について、以前、元文科官僚の寺脇研がしゃべるか書くかしているのを見たが、私的支出まで含めたトータルの支出でみれば、日本の教育支出は他国と比べて少ないということはないのです。そうだとすれば、そうなる背景だとか、その結果どういう問題がおこりうるかということをもう少し具体的に考えるべきでしょう。
長々と議論を展開するほどの知識はないが、わたしにも指摘できそうな点として、とりあえず
1、大学以上の、研究開発費(とくに理系)は増やす必要がある。それと同時に、ポスドクの職の問題など、いままでにさんざん指摘されている問題が大学以上では山積みです。
2、高等学校までの教育にたいする私的支出というのは、多くが、都市部における塾とか予備校の費用ということになります。わたしが具体的に知っている例でも、大学受験でこどもを通わせるのに、高校の間ずっと、あるいはもっと早くから、月々10万円以上かかったりとか、医学部専門予備校の冬期講習なら500万円以上かかるのが普通とかがあります。大学受験にそこまでカネかける価値があるのかという問題はおいといても、将来の階層固定化(都市対地方、親からの職業)につながる由々しき問題でしょう。
少し話はそれますが、わたしは「特権は2代まで」と普段からなんとなくおもっています。
たとえば、在日韓国朝鮮人はそもそも「日本人」だったのですが、日本の敗戦の結果日本人ではなくなった。その結果、事実上の便宜が与えられた。その便宜は、そのときの本人やそのこどもまでは認められても、三代目以降にひきつがれるのは、おかしな話です。
たとえば、農地改革で小作農は地主から土地を得たのですが、三代目以降になっても、その土地を売ったり、賃貸住宅を立てたりしてやすやすと儲けているのはおかしな話です。
たとえば、政治家が世襲貴族化しているのはおかしな話で、三代目ともなれば、少なくとも同じ選挙区からは立候補できないようにすべきでしょう。
等々。
教育というのは、このような階層固定化を打破するチカラを秘めている(逆に固定化してしまうチカラも秘めているともおもわれる)。適切に改革すべきですが、抵抗勢力も、左右問わず、すさまじかろうとおもわれます。