りゃん のコメント

憲法53条の規定には、何日以内に国会を開けという限定がありません。召集しろとすら書いていない。「内閣は、その召集を決定しなければならない」と書いてあるだけです。そして現に内閣は召集を決定するものとおもわれます(10月に開くといっている)。つまり憲法の文言上、いまの政府の態度は明白に違憲とまではいえないということがまず言えます。


参考に、憲法54条をみると、衆議院が解散されたときは総選挙の日から30日以内に国会を召集、という意味のことが書いてあります。また、国会法は、衆院の任期満了による総選挙が行われた場合は任期が始まる日から30日以内に臨時会を招集しなければならない云々と規定しています。このように、憲法も国会法も、場合によっては、何日以内に開けという限定をつけています。


これと対比しつつ53条をふたたび見直すと、何日以内という限定をつけていないばかりか、召集しろとも書いてない。召集を決定しろと書いてあるだけであり、総合的に見て、政府の態度に違憲との問題はやはりないといえましょう。ただし、実際に召集するのがずっと先では、53条の文言に直接違反しなくても、政府へ民主的コントロールをしようという53条の趣旨に反するので問題があります


そこで、召集までの合理的期間が問題になるわけですが、明確な基準がない以上、最終的に国民が投票箱で決めるしかないわけです(内閣には政治的責任があるのみということ)。


今回の孫崎さんの文章では、違憲ということばが避けられていて、民主主義ということばが前にでてきてきますが、その背景にあるのはこういう事情です。


そうなると、有権者ひとりひとりの考え次第ですが、わたし自身はいま国会をひらいても、野党はまたモリカケをくりかえすだけで、もちろんモリカケでもなにか大きな新展開があればやればいいとおもいますが、それもなさそうであり、近いといわれている解散総選挙への野党政治家のパフォーマンスの場になるだけだろうとおもいます。また、官僚には今後の緊急事態法制や米中対立対策についての大きな方針を議論して、10月の国会に内閣から提出してもらいたいので、モリカケでその邪魔をしてほしくはないですね(くりかえしますが、モリカケでも大きな新展開があれば別)。

No.9 52ヶ月前

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