tako2008 のコメント

表題は「シェア」のランキングであり、必ずしも性能や品質といった
技術面や基礎研究面での水準の高さに由来する評価には直結しない。

しかしながら、競争力は「総合力」であり、営業力やアフターサービス
等も含めた複合的な能力が影響してくる。特に近年、重要視されてきた
のは「生産性(=コスト競争力)」である。

2000年代、我が国の産業界は「良いものを作れば売れる」と言って、
高品質・高価格の製品開発に拘り続けた結果、安い労働力を駆使した
中国や韓国、米国にあっと言う間に新興国市場を奪われて敗北した。

そして、しばらく国際市場は、高価格層と低価格層に二分化され、
棲み分けされると考えられてきた。ところが、ここ近年、中国などの
新興国は技術面・研究面でも先進国に猛追し、追い抜きつつある。

製品としての性能や品質に大差がないのであれば、当然ながら、
「より安い方を購入する」に決まっている。

一方、米国やドイツは、IT技術に強い。これが製造業と結び付くこと
で、マーケティングから製造プロセス、アフターサービスまで自動化、
最適化される。コスト競争力でも新興国に対抗できるのである。

我が国は、いつまでも、新型コロナで躓いている場合ではない。
総力を上げてコロナを収束させ、以前から主張しているIT化の推進
に早く舵を切らなければ、ますます国際競争から取り残される。

孫崎先生の立派なところは、外交の専門家でありながら産業分野に
ついても関心があり、的確な国際情勢把握をしていることだろう。

現代では、国家の存在感や影響力を示す指標として、軍事力よりも
経済力のウェイトが大きくなった。外交と経済は切り離せないのだ。

また、リベラル派には経済に無関心な方が多い。共産系野党が支持され
ない理由の一つだ。以前にも述べたが、野党は本気で政権を奪いたいの
なら、より優れた経済・産業政策を示さなければならない。

安倍政権が発足当初、国民から大きな支持を受けていた理由は、
アベノミクス(経済対策)への期待感からである。

人々は労働という生産活動を通じて生活しているのだから当然だ。

No.7 52ヶ月前

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